まずはこちらを・・。英語版ですが・・・。


私は今の会社で働く前、約4年ほどモントリオール市内の別会社で働いていて、通勤にはバスと地下鉄(Metro)を利用していました。
 
去年2016年は、モントリオール地下鉄開業50周年の年に当たり、色々な催し物や新車両導入などがありました。


日本の公共の乗り物に慣れていると、やはり海外のそれにはちょっと驚かされることが多々あります・・。


例えば、モントリオール地下鉄(métro de Montréal、運営者=Société de transport de Montréal/STM)の場合、各駅には始発時刻と終電時刻は記載されているのですが、それ以外の時刻表はなし。「ラッシュ時には5分間隔、ラッシュを過ぎたら10分間隔、夜は15分-20分間隔で運行しています」って書かれているだけ。今は携帯アプリがあるからよいですが、基本的には駅に着くまで「何分待たなければいけないのか」などが全く分からないんです。大雑把というかおおらかですよね、日本と比べて。


後は、突然列車が運行終了になって駅に放り出されたり、駅に止まったまま30分以上も動かなかったり、列車自体が30分以上も来なかったり、などなど、本当週1以上のペースで必ずどこかしらでトラブルが起こっているイメージです、個人的には、ですが。でも多分当たっていますし、モントリオール在住の方であれば納得してくれると思います・・。

(ちなみに、モントリオール地下鉄では駅構内、地下鉄内などでのアナウンスは全てフランス語オンリーなんです。で、上記のようにいつも問題が起きているし、遅れが出たりして、車内アナウンスを頻繁に耳にしていたおかげで、モントリオールに来て一番最初に覚えたフランス語のフレーズが、「○○駅からXX駅の間で列車遅延が発生しています。お客様のご理解とご協力をお願いします」という意味のものなんです。。。。確か、”Le service est retabli sur la ligne orange (ここは地下鉄のライン名が入ります) entre les stations xx et xx (XXには駅名が。). D'autres messages suivront. Merci de votre comprehension.だったかな?間違っているかも・・・。)



さあ、そんなトラブルの多いモントリオール地下鉄。運行している列車も古い型式なので、地元の大企業・ボンバルディエ (Bombardier・航空宇宙産業会社。ジャンボジェット機なども作っています。)に新車両を発注し、その新車両の導入は当初2012年を予定していました。


その後、計画は2014年、2015年と後倒しにされ、結局一部導入されたのは去年2016年でした。さあ、問題はそこからです。一部導入された昨年2016年からいろいろと問題が発生したのです。車体に不具合が発見されたりして・・・。そして先週土曜日(2017/01/14)、原因不明の故障に見舞われて、10時間以上も運行が止まるという事態に。

azur-damage

(こちらが新車両、並びに問題のあった箇所。。)


それを受けてモントリオール地下鉄では、現在導入されているすべての新車両(約12台)の運用をストップさせました。
 
ただ、それに対してのモントリオール市長やSTMのトップの発言が、私には火に油を注いでいるというか、無責任さを感じてしまいます。。曰く:

「この手の問題は、新車両導入時には世界中どこでも起こっている。今回の件よりもっとひどい場合も世界にはある。」
「モントリオール地下鉄開業時にも同じような問題が発生していた」
「(2018年までに全車両を新車両に交換するという)予定に変更はないし、予定通り行われる」


要は、「うちだけでなくよそでも同じようなことが起こっているんだから、大騒ぎするな。」って言っているように聞こえるんです、私には。
 
モントリオール地下鉄を日々利用している人たちにとっては、それこそ「よそは関係ない。自分たちの仕事に責任を持って、きちとやれ。言い訳するな。」って気持ちだと思いますが、まあ、市長もSTMも責任を取らない・持たないでしょうねー。。。


ただ不思議なのは、市長もSTMも、新車両の発注先・ボンバルディエには今のところ抗議等をする予定はない、と言っているところです。理由は、本当に車両に問題があったかどうか現時点では不明だから、だそうです。何やらきな臭さを感じてしまいます・・・。ボンバルディエはこの新車両プロジェクトで約12億ドルという巨額のビジネス契約を結んでいます。それなのに、納期が遅れ、問題が多々発生しているのに、何の抗議もしないとは・・・。裏金とかあったのかな?って、勘ぐってしまいたくなりますよね。


さらにさらに、ボンバルディエがトラブっているのはモントリオールだけではないんです


ボンバルディエは世界中で自社商品(電車や飛行機など)を契約により販売しているのですが、カナダ第一の都市・トロントのLRC(路面電車みたいなものです)へ新車両を納品する契約(約7.5億ドル)を結んだのですが、先方から契約を破棄したいと言われているのです。理由は重大な品質問題、機能の問題があるからだそうです。実はトロントには、既に30台ほどのバスが納品され、運行されているのですが、それも毎日問題が起きて通常運行に支障が出ているようなんですねー。。具体的には、ドアが正常に開かない、ブレーキ問題、インターフォンが使用できない、などなど。。。


このモントリオール地下鉄の件に関して、ボンバルディエでは取材を拒否しているようです。
 

カナダを代表する世界的な企業・ボンバルディエ。ちょっと殿様商売に胡坐をかきすぎたのかも??
日本の車両設計・開発会社さん、及び自動車ディーラー(バスなど)さん、もしかしたらビジネスチャンスかもしれませんよ?