1. ケベック・シティーのモスク銃乱射事件。

カナダ時間月曜日(2017/01/30)午前11時現在、この事件はTrudeau首相により「テロ行為」と呼ばれるようになりました。
 
現時点では犠牲者は1名増え6名。負傷者は8名、うち3名は重体とのことです。

警察は被疑者と思われる2名を拘束していますが、1名逃走している可能性があるようです。

この事件についてはカナダ時間昨日、モントリオールにある日本総領事館からも緊急のメール通知が入っており、十分注意するようにと注意喚起が行われております。


** カナダ時間:2017/01/30 午前11時30分 **

警察発表によると、拘束されている2名の被疑者の氏名が明らかとなっております。
- Alexandre Bissonnette
- Mohamed Khadir

引き続き動機等の詳細調査が進められているようですが、この2名は地元大学の学生という情報もあります。
また、犯罪歴もなく、警察もマークしていなかったようです。

ただ気になるのは、容疑者のうち1名の氏名を見る限りアラブ系の名前ですよね。。アラブ系=イスラム教徒とは限らないと思いますが、ほとんどがイスラム教徒かと思います。
 
詳細情報がないのであくまでも個人的な憶測ですが、今回の「テロ行為」とされるものは、「イスラム教徒」を狙ったものではなく、他の理由がある可能性も出てきましたね。。もっと犯人の個人的な理由があるのかもしれません。。その場合はこれは「テロ行為」ではなく、「無差別殺人」とか「大量殺人」事件となる可能性もあります。。

私も事件の第一報から、「モスク襲撃=イスラム教徒への反発」という風に捉えておりましたが、それが間違いである可能性が出てきました。。
 
皆様に私の誤った考えをお伝えしてしまい申し訳ないです・・・。ただ、こうやって誤報って拡散するのか、と改めて感じました・・・。



** カナダ時間:2017/01/30 午後1時30分 **

拘束されている2名のうち、Mohamed Khadirの名前がMohamed Belkhadirに訂正されました。
また、その後の調査で今回の事件はAlexandre Bissonnetteの単独犯であり、Mohamed Belkhadirは目撃者に過ぎない、という情報が入ってきています。

警察もメディアもまだまだ混乱しているようです・・・。私もそうですが・・。


** カナダ時間:2017/01/30 午後3時00分 **

警察の発表によると、警察は現時点では襲撃犯は少なくとも1名と考えており、もう1名は現在参考人・事件の証人とみている模様。
 
もう少し詳しく見てみますが、1名(Alexandre Bissonnetteだと思います)は、銃撃現場にて身柄を拘束。
もう1名(多分Mohamed Belkhadirだと思います)は、一旦現場から逃げたのですが、後ほど自分の車から警察へ110番通報。その際、自分は事件に「巻き込まれた」ことを伝え、警察の捜査への協力を申し出たそうです。その上で現地時間の日曜日午後9時ごろ、銃撃現場からおよそ35km離れたところで逮捕されています。

まだまだ情報が錯綜していますし、警察(ケベック州警察&カナダ連邦警察・RCMP)も取り調べや調査に時間が必要な状況です。
 
が、現時点でのポイントはこの逮捕された2人目・Mohamed Belkhadirのお話だと思います。彼は被害者なのか、加害者なのか、全くわからないので。。
 
ニュースの原文では[INVOLVED]っていう風になっているのですが、事件に「巻き込まれた」のか「関与した」のか、意味合いは全く変わってくると思います。
 
更に、ただ単に「巻き込まれた」のであれば、なんで警察は「逮捕」したんでしょうか??事件発生直後だったので、念のためという意味合いだったのかもしれませんね。。

まだもう少し時間がかかるかもしれませんね、全容解明まで。



一方、このテロ事件に関してトランプさんもTrudeauさんに「哀悼の意」を伝えており、且つ「アメリカでできる協力は何でもする」とTrudeauさんにも伝えているようです。
 
 
ちょっと複雑な気持ちになるでしょうが、隣国のリーダーとしてはまず当たり前の対応かな?と思いました。


が、一方でホワイトハウスの報道官・Sean Spicerさんはこの事件に関して哀悼の意を表するとともに、以下のようにも述べております:
 
この事件は、アメリカという国の安全・セキュリティー面で我々が引き続き団結する必要性があること、及びそのためにトランプ大統領が”後手”に回らず次々に”先手”を取って対応を現在行っていることを強く思い出させるものとなった」と。。。今回の事件の被害者はイスラム教徒であり、またトランプさんは「特定の宗教を狙い撃ちしたものではない」と言っていますが、結果的にはイスラム教徒が大半を占めるいくつかの特定国からの入国を禁止しています。

話が噛み合っていない感じがしますが、今回の事件を自分が行った政策の”正当性”への証明?追い風?にしようとしているように感じました。。


この部分で、「本当に(味方であるはずの)共和党などからのサポートがないんだな」と感じます。上記のような発言は多分受け入れられず、非難されるでしょうから・・・。
 
リスクマネジメントできるスタッフがいないんですね、トランプさんの周りには・・。


なお、フランスではオランド大統領が哀悼の意を表し、且つエッフェル塔の電飾が落とされるそうです。
また、ローマ法王・フランシスも哀悼の意を表しています。


個人的には、あれほどイスラム教徒のテロ攻撃に苦しんだフランスの大統領からの哀悼がちょっと心にジーンときました。
 
コンサート会場やサッカースタジアム、カフェなど至る所でテロが発生し、結果100名以上の命が奪われたのに。。。もちろん、フランスも世界も、一部のイスラム教過激派の活動というのはわかっているでしょうが、「寛容」さを感じました。



** カナダ時間:2017/01/30 午後4時30分 **


警察は容疑者のAlexandre Bissonnetteを実行犯と断定し、彼の詳細情報(写真を含む)を公開しました。
彼はケベックシティーにあるラバル大学に通う27歳の学生で、ケベックシティー郊外の出身。大学では人類学や政治学を学んでいました。
 


 
現時点での警察の発表では、上記2名が逮捕されたものの、実行犯として逮捕されたのはこのAlexandre Bissonnetteのみで、Mohamed Belkhadirは”目撃者”として身柄を拘束されている模様です。つまり(まだ確定しているわけではありませんが)、現時点ではMohamed Belkhadirは事件に”巻き込まれた”被害者・目撃者、みたいです。




(一部日本のニュースでも、Mohamed Belkhadirは「モロッコ系アラブ人で、アラーは偉大なり!と叫びながら銃を乱射した」という風に報道されていましたが、現時点でのカナダの主要ニュースソースにはそのような話は報告されていません。多分、キュレーションサイトのような情報が集まるサイトにて誤解があったのかもしれませんね。もしくはこちらが事実かも・・・。まだまだ情報が錯綜しているので、話が二転三転する可能性は十分あります・・・。)
 

あるニュースソースによると、このAlexandre Bissonnette、実は大学内では「Le-Pen(フランスの極右政党のリーダー)支持者で、且つ反フェミニスト」としてその行動は有名だったようです。

P Head QC


(昨日のブログでもご紹介しましたが、こちらのモスク、去年のラマダン月の7月には、このような豚の生首が贈られる事件も起きていました・・・。この事件とのつながりももしかしたら捜査されるかもしれませんね。) 



2. トランプさんの「特定国からの難民受け入れ一時停止」処理の反響がすごいですね・・・。


これも、現時点でトランプさんは「永住権(グリーンカード)保持者は対象外に」という風にちょっと変更していますね。

GC USA
(アメリカのグリーンカードのサンプルです)
 

 
これについては各国の対応が個人的にはすごく興味深い感じがしました。


隣国であるここカナダはいち早くTrudeau首相が「アメリカに代わって一時受け入れ」を表明していました。
「人道的観点」に立って、且つ「支持率アップ」というひそかな狙いもあったのでしょうが、世界には好意的に受け取られています。
 
が、やはり個人的にはこの件が上記モスク銃撃事件にいくばくかの影響を与えたのでは?と思っています。


一方日本では、JALやANAがトランプさんが発令した規制の対象国の人たちの搭乗拒否を発表しております。
これは他にもエールフランスやKLMも同様の措置を取っていますので、日本だけ特別ではない処置です。
が、実はここにも”モントリオール”とのつながりが。。。

JALやANAによると、今回の措置を決めたのはIATA (International Air Transport Association=国際航空運送協会)から、トランプさんの規制が通知されたのが原因だとか。実はこのIATAって、モントリオールに本部があるんです!!

IATA Image
 


また、安倍さんや日本政府関係者は今回のトランプさんの規制に関しては公にはコメントしておりません。
 
アメリカと日本との関係を考えると、あまり刺激しない方が良いと判断しているのかもしれません。。が、菅官房長官が言っていたように、基本的には今回の措置は「アメリカという国の内政問題」であるので、確かに行き過ぎた面もあるかもしれません(もしくはちょっと稚拙だった、拙攻だった点もあると思います。もう少し慎重に影響等を判断して行ってもよかったかも)が、一国の決定を公に非難するのは、一般人はできるでしょうが、国を背負っている責任のある人には難しいと思います。。


** カナダ時間:2017/01/30 午後1時00分 **

アメリカの連邦裁判所は、今回のトランプさんの規制を無効とする判決を出しました。
これにより、空港などで一時身柄を拘束されていた人たちは、有効な入国ビザを持っているという証明がされれば、強制送還されることなくアメリカへの入国が可能となりました。

トランプさんの今回のやり方はちょっと拙攻でしたね。。ただ、行政と司法(及び立法)がきちんとお互いを監視しつつ、けん制しあう形は、まだまだアメリカの民主主義は捨てたものではないという証明、という風にも感じました。







私はトランプさんが大統領に就任して以来、今まで彼が行った政策に関しては世界の人々ほどには”極端な”反対は示していませんが、それはやはりある部分では納得できるところもあり、またあくまでも「アメリカ国民が民主的に選んだ代表」なので(他国の人間がそんなにあからさまに言うことではない)、という気持ちがありました。以下整理すると・・:

A. 選挙戦から一貫して移民制限やアメリカ第一を唱えて、その上で大統領に当選した、アメリカ国民が選んだ。その代表に他国が何か言うのはちょっと違うかな?
B. アメリカ第一主義からの行動。これも国のリーダーとしては当たり前の行動、と私は思います。

その上で、私が一番期待していたのは、「トランプさんはいずれ落ち着くだろう。就任式までは”一個人”での発言だが、就任後は”大統領”としての発言を意識しなければいけないし、また共和党のスタッフがサポートして”現実路線”に行くはず」って思っていたんです。

が・・・、どうやら事態は違うようですね・・・。特定国からの入国者一次規制も、わからなくはないんです、その意図は。
 
だって、一貫して同じことをずっと唱えてきて、民主的な手続きで「選ばれた」わけですから、アメリカ国民に。
「選挙中に約束したことを実行して何が悪いの?」って、トランプさん自身混乱している可能性があると思います。

なので、この部分の「国民(トランプさんを積極的に支持していない人たち)」と「トランプさん(及び彼の支持者)」のギャップを埋め、現実的に妥協できるポイントまで話を持っていける”サポートスタッフ”が共和党もしくはトランプさん側近から出てくるのを個人的には期待していたんですが。。。

ただ、稚拙というか拙攻でしたしね。その後のトランプさんの発言や政府関係者の発言を見ると、どうやらトランプさんをサポートし、且つ政権のかじ取りのための”船頭さん”が共和党にはやはりいないように見えます、現時点では・・。なので、”暴走”気味に見えるのではないでしょうか??もしくは、共和党自体がトランプさんの”イエスマン”と化したか、あるいは”(自党の大統領とはいえ)トランプさんに関わりたくない”というスタッフが多くて、結果サポートする人が絶対的に不足しているのか・・・。多分後者だと思います・・・。


でもこの問題を早く解決しないと、アメリカ国内は勿論、下手したら”反アメリカ(反トランプ)”で世界がまとまってしまうかも。。。
 
はやくトランプ政権に”現実と見つめる目”を持つスタッフが、重責を担うポジションとして参加してほしいと思います・・。


3. カナダ首相、「やってしまった??」

これはTrudeau首相があるタウンホールでの支持者・カナダ国民とのミーティングで、英語で質問されているにも関わらず、フランス語にて返答し、「礼儀を欠いている」と非難された事件。実はこの事件、注目度は下がっていますが、今でもちらほらこのニュースを見るんです。と言うのは、これもトランプさんがらみなのですが、NAFTAの見直しをトランプさんが宣言して以来、Trudeauさんは「NAFTA維持とアメリカとの個別通商」の両方麺戦略を考えていたっぽいのです。

そこに、「オンタリオ州のGM工場廃止→メキシコに移動」というニュース、カナダ連邦政府の赤字増と、Trudeauさんの政権にとってマイナスのニュースが出てきており、支持率も低下。そこに「こういうこともしていましたよ(なので首相としてはふさわしくないのでは?)」という、一種のネガティブキャンペーン的な素材として出てきているんです。。。

なので、上記2のような「誰が見ても・聞いても賛成してくれる」、且つカナダという国の国是(モザイク文化・多種多様の文化)にも沿う「難民の一時受け入れ」を積極的に表明して、(内向きに)支持率回復を狙ったのでは?と思うのはうがった見方でしょうか・・。


4. モントリオール地下鉄でまたもや問題発生・・・。

モントリオール地下鉄に投入されたばかりの新車両に不具合があり、全新車両を全路線から完全撤退させていましたが、先週土曜日(2017/01/28)、修理完了ということで一部が路線に復活しております。

現時点では問題はまだ報告?されていないようですが、今度こそ大丈夫なのかな??でもちょっと不安ですね。。



5. 子供たちを守れ! - Amber Alert (アンバー・アラート)とは??

ケベック州警察は、2014年から導入している「アンバー・アラート」のスマホ向けアプリの提供を終了する、と発表しております。
 
理由としては、登録車・利用者の数が少ない、とのこと。ただし、テキストメッセージでのアラート通知は引き続き行う予定なので、引き続き登録を促しております。

今回の件は、アンバー・アラートの通知方法の変化も関係あると思います。現在、アンバー・アラートはSNSにより周知・拡散するのがメインで、ケベック州警察もFACEBOOKと特別のパートナーシップを結んでおります。

このアプリは提供終了しますが、アンバー・アラート制度自体は引き続き今後も様々なチャネルを使って人々に発信されていくことでしょう。



以上、最新情報でした!!