こちらも世界中を震撼させた事件、まだまだカナダ国内でもトップニュースで扱われるほどその影響は大きいものでした。

事件発生直後から、色々と誤報が飛び交い、カナダのテレビ局もその誤報を流したり、また日本のサイトでも紹介されたりしていましたが、事件発生直後の状況が少しずつ明らかになってきました。。それによりますと、逮捕された2名のうちのMohamed Belkhadirさん。実は彼は他のイスラム教徒と同様、その日は事件のあったモスクにお祈りに訪れていました。

QC Police 01


礼拝後、彼はモスクの外に出て、外の階段に積もった雪を振り払っていると突然銃声が。
反射的・本能ですぐに身を隠したそうです、身の危険を感じて。銃声が止んだ後、彼は110番通報(カナダでは911番通報)し、勇敢にも生存者がいるかどうか確認するためにモスク内に入っていったそうです。

「モスクではドアの近くに人が倒れており、その人が生きているかどうかはわからず、また別の人は息をしていた様子だったので自分のコートをかけてあげました。その時に、武器を持っている人を見たんです」と彼はラジオ・カナダのインタビューで答えております。

彼はそれが「犯人」だと思い、走って逃げたそうですが、実はその人は警察だったようです。
つまり、銃声が聞こえてから銃声が止むまでの時間がかなり短かく且つ警察が素早く出動してきたのか、それともMohamed Belkhadirさんが身を隠していた時間がかなり長かったのか、そのあたりはニュースでは明らかにされておりません。。

ただその後、Mohamed Belkhadirさんは警察に逮捕され、何が起こっているのか理解したようです。

Mohamed Belkhadirさんが逮捕された直後、別の容疑者(多分これがAlexandre Bissonnetteだと思います)が逮捕されています。
 
警察によると、この容疑者も自分で911番通報してきて、モスク銃撃事件における自分の役割(銃乱射のことだと思います)を述べたそうです。

Alex Caught 01

(裁判所から移送されるAlexandre Bissonnette)
 

この頃にマスコミ・メディア内でうわさが流れ、上記2名の名前が「二人とも容疑者」という形で出回ったようです。
それが誤報に繋がった、というのが真相のようでした。


その後は昨日のブログでお伝えした通り、Alexandre Bissonnetteのみ容疑者として逮捕。現在、6件の第一級殺人罪並びに5件の殺人未遂罪にて身柄を拘束されています。
 
一方Mohamed Belkhadirさんは、事件発生翌日の月曜日のお昼には、「目撃者」であることが警察から発表され、誤報はその時に修正されていました。

Mohamed Belkhadirさん、彼は事件の容疑者であるAlexandre Bissonnetteと同じラバル大学に通う学生さんでもあり、今回の件で警察に誤って逮捕されてしまいましたが、「警察での扱いはとても親切・丁寧で嫌なことは一切ありませんでした」と述べております。


一方のAlexandre Bissonnette。ラバル大学では一時政治的なディスカッションを行うグループに所属していたようですが、「穏健すぎる」という理由で顔を出さなくなったようです。
 
このグループの学生によると、Alexandre Bissonnetteは「極右・オルタナライト」に近い思想の持主だったようです。
 
 
同じくこの学生によると、彼はよくトランプさんとフランスの極右政党党首・ルペンさんを持ち上げていたよう。これはトランプさん自身には関係ないことかもしれませんが、またネガティブな情報が出てきましたね。。。

またAlexandre Bissonnetteは反社会的であり、且つ社会とあまり交わらない・引きこもり気味?でもあったよう。

 
彼はケベックシティーのアパートに双子の兄と暮らしていましたが、兄弟ともにあまり付き合いがない・引きこもり気味(社会からキリ離れた生活?)、とアパートの隣人が語っていました。

ちなみに彼の次回の裁判所への出廷は2月21日だそうです。

この事件に関しては、世界中から哀悼の意が表されたり、お隣のトランプさん(が意識したのかどうかわかりませんが)の報道官の会見で利用されたりと、色々と2次的な問題も生んでいますが、一刻も早い被害者の心身の回復、並びに治安の回復を願っております。


この件に関しては、別のニュースにて「モスク襲撃事件後、Hate Crimeの相談件数が急に上がった」とモントリオール市警察のお話を取り上げております。

 
ただその内容が本当にHate Crimeなのかどうかは調査が必要なので明らかになっていません。すいません、うろ覚えなのですが、確かこのHate Crime課っていうのはモントリオール市警察に2015年に設立された比較的新しい課だったと思います。


もう一つ私が気になったニュースでは、イスラム教徒のリーダーや指導者的立場の人でしょう、彼が「イスラム恐怖症・イスラム教徒に対する偏見(Islamophobia)が大きくなっているのが実感できる。」ということを言っていました。この部分こそまさに、人々と積極的にかかわりを持って、誤解を解いていかないといけない部分だと思います。
 

私は2年弱、中東・ドバイで暮らしていましたので、イスラム教というのがどういうものなのか、ある程度理解しているつもりです。
 
一般的なイスラム教徒は、本当に皆優しいと言いますか、寛容なんです。ただそれが「イスラム教徒」だからなのか「アラブ民族」だからなのか、二つが密接にくっつきすぎているので何とも言えませんが、とにかくドバイでイスラム教徒に「怖い目」にあったことは一度もありません。そもそも、イスラム教自体が「他信教に寛容」という側面があります。そういった面では、キリスト教こそ「キリスト教の神以外認めない」という排他性で攻撃的だと思います、個人的には。

ただイメージで、イスラム教は:

- 女性蔑視(男尊女卑)がひどい
- 過激思想。自爆テロ。
- 感情的・厳しい戒律

などなどなど・・・。でも上で述べている通り、イスラム教って本当はとても寛容な宗教なんです。個人的には一番寛容な宗教かも、と思います。

 
イスラム教の経典の中にはキリスト教の神やユダヤ教の神も出てきますしね。


女性蔑視は、中東の国にもよると思いますが、ドバイではまずないです。
 
逆に、女性ということで銀行の窓口やタクシー乗り場、スーパーのレジなど長蛇の列ができているところに「割り込み」が許されるんです。いいですよねー。。。
 
また、「一夫多妻制」ももしかしたら否定的なイメージを作っている要因の一つかもしれませんが、実はそうでもないんです。。これはドバイ(UAE)で働いていた時に聞いたのですが:

1. 2番目、3番目などの奥さんをもらう場合は、必ず第一夫人の許しが必要
2. 全ての奥さんは平等に愛されなければならない。平等に愛されていない、と感じた場合、訴えることができる。
3. 同様に、離婚することもできる。その際、旦那さんはわかれる奥さんが一生働かなくても食べていける分の資産・資金を分与しなくてはならない

など。。なので、結局お金持ちしか複数の奥さんを持てないんですよね。。

また、過激思想やテロなんて、本当に一部の原理主義者だけで大多数のイスラム教徒は違います。


やはり地道な啓蒙運動を、地元コミュニティーからまずは始めてみてはどうかな?と思います。



(このブログははCBC NEWSなどのニュースサイトを元にしております。)