ワーホリや旅行、お仕事などでカナダにいらっしゃったことがある方はご存知かもしれませんが、カナダの大部分の州・都市では、例外もありますが、赤信号時に右折ができるんです。
 
カナダはアメリカと同様、運転席は左側にあって、道路は右側通行。日本とは真逆ですね。なので、日本の交通ルールに当てはめると、あなたは赤信号で一番先頭で止まっています。そしてあなたは左折がしたいとします。この場合、あなたが従わなければいけない信号は「赤」ですが、歩行者や左折先の道路の状況を十分確認した後で「左折」ができるんです、「赤信号」にもかかわらず・・。


これってもしかしたら、アメリカの州や都市でも同じ運用をしているかもしれませんね。


但し、です。このルール、交通量の多い交差点や大都市では基本適用されていません。つまり、モントリオール市内ではこのルールは適用されていないんです。
 
(確か、トロントもこのルールの適用はされていなかったはずです。カルガリーでは適用されていました。また、モントリオール市周辺、いわゆる”グレーたー・モントリオール”地域のラヴァルやロングユイル、ブロッサードなどではこのルールが適用されています。)

Turning right on red 01

(赤信号時の右折が禁止されている交差点では上記のような標識が。)


で、モントリオールでもこのルールを適用するかどうかの公聴会・討論会が今週予定されていて、その結果はケベック州政府の運輸大臣に届けられるそうです。モントリオールの各地区の区長さん?などは積極派で、彼らによるとモントリオール市民のおよそ70%はこのルールの適用、すなわち「赤信号時の右折可」を適用してほしいと考えているようです。また、この積極派によると、このルールを適用することで、

① ガソリン代の抑制につながる(よくわからないのですが、赤信号による停止→発進を少なくするので、ガソリン消費が抑えられる、と言いたいのかも)
② 渋滞緩和につながる(これは間違いなくあり得ないと思います、私の経験上。渋滞は発生しますよ。また、渋滞が発生するような大きな交差点ではこのルールは基本導入されないはずですし)

と主張していますが、一方モントリオール市政府は反対派。せっかく現在までモントリオール市内での交通死亡事故数が減少してきているのに、このルールを適用することでまた死亡事故数が悪化する、と主張しています。。


私は個人的にはモントリオール市政府と同意見です、つまりこのルールをモントリオール市で適用はしない方が良いと思います。
 
現時点でも、毎日交通事故が起こっているモントリオール。全ての運転手とは言いませんが、マナーが悪いドライバーはたくさんいます。特にウインカーも出さずに右折・左折・割り込みをする車が本当に沢山いるんです。スピード規制も守らないし、無理な追い越しや無理な左折・右折で歩行者が危ない場面も沢山見てきました。


特に私が不安なのは、ウインカーを出さないこと。これ、本当にたくさんいるんです、こういった運転手が。
 
もしこのルールが適用されたら、ウインカーを出さずに急に右折してくることになりますので、歩行者も「ウインカー出してないから右折はしてこない」と判断するでしょう。

Turning right on red 02


もしどうしてもこのルールを適用するというのであれば、セットでケベック州の運転免許試験や交通ルールをもう少し厳しくしてほしいですね。
 
そうじゃないと、モントリオール市政府が言っているように、単純に交通事故が増えるだけだと思います。。。このルール、モントリオールに適用する前にまずはドライバーの質を上げることが先決ではないでしょうか・・・・。


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