こちらモントリオールやトロントなどのカナダ東部はまだまだ昨日・一昨日までの吹雪(Winter Storm)の話題で一杯です。。
 
特に、高速道路で一昼夜立往生を強いられたケースについて、ケベック州政府の首相が正式に謝罪し、調査を約束したようです。
 
また、この吹雪で降り積もった雪の除去には最低でも4-5日かかるって、モントリオールの除雪業者さんが言っていました。。確かに、もう春目前という天気だったので、皆気持ちも装備も春モードでしたからねー・・・。


さて本日のブログのテーマですが「里親・里子」について。
本日のGlobal Newsのサイトに、「里親から強制的に引き離された里子」というものがありました。
要約すると、里親として生後間もなくから9年間育てた男の子を、政府の一方的な命令で実の母親にその子を返すことになった里親のご夫婦。
 
しかしながらこの男の子は里親の素を離れるのを拒み、何とか「週に2回は里親からの電話がある」という条件でしぶしぶ実の母親の元に戻ったそうです。
 
が、その後この男の子から里親宛に「助けて(HELP)」というテキストメッセージが届き、里親がこの実の母親や自治体関係者と連絡を取ったにも関わらず、この男の子には会えずじまいだったそうです。
「週に2回は電話する」という約束事も守られず、この里親は男の子がとても心配で、また政府の対応の不手際を厳しく批判しています。

Foster Family MAR172017 03


このニュースを見た時、率直に思ったことは:
1. 子供を養育できない状況下で子供を作るのどうなのか。
2. 里親制度は本当に双方(里親・里子)にとって幸せなのだろうか。


という点です。1.については、多分議論しても仕方のないところというより、これは法律などでコントロールできるものではない、「一般常識」「理性」とかに頼る部分が大きいですので、そこに訴える以外に方法はないのかもしれません。
 
難しいところです。。。「自然増」が減っている、いわゆる「少子高齢化」社会が進んでいる先進国では、どのような形であれ「子供が生まれる」ことはうれしいことなのかもしれません。が、その子供たちが「満足」に育てられない状況はやはり親として未熟な部分があるからだと思うんです。また、日本でもそうかもしれませんが、ここカナダでは「子供」を使って不正に補助金を得て生活している人たちもいるんです。。日本の子ども手当よりも多くの補助金を受けることができるカナダ、ケベック州。子供を3人、4人ともうけて、親は働かずに補助金で生活、なんて人たちも沢山いるんです。日本で言う、「生活保護費」の不正受給のようなものかもしれませんね。とにかく、「親」として自覚がない人は子供を作らない。。。。これを啓蒙する活動が必要だと思います、少子高齢化社会とは言え・・。


もう一つの2.についてですが、これは引き受ける里子の年齢にもよると思うんですが、いずれ必ず別れが来る関係性ですよね。
 
しかもこのニュースのように、「実の親の問題が改善された」と政府や自治体が判断したら、急に引き離される・・・。これってちょっと酷いですよね。。
 
記事にはありませんが、多分里親→養子縁組とつながるケースもあると思いますが、そもそも里親制度とは「実の親が何かしらの原因で子供をまともに養育できない」状況にある子供を、親がきちんと生活が安定し子供を養育できるようになるまで育てる制度。様々な理由があると思いますが、実の親がドラッグ中毒やアルコール中毒であるケースも多いようです。ただ、その親達も自分の子との「繋がり」を失いたくない(養子などに出し、自分とのつながりがなくなるのはいや)ということで、里親制度を利用する・・・。上記1.と関わりますが、これってもう実の親の「わがまま・身勝手さ」が理由ですよね・・。勿論、そういった「わがまま・身勝手」な理由だけではない、やむを得ない事情がある人もいると思います。例えば、実の親が「大病を患う」というようなケース。こういったケースでは里親制度もその意義があると思います(後々つらい別れがあるとは思いますが)。

Foster Family MAR172017 02


ただ、いくら「期限」が区切られている「疑似家族」とは言え、長い年月の間に強い・裂きがたい「絆」が生まれていると思うんです。
 
それを、お役所からの一方的な指示のもと引き裂かれ、且つその後のケアもされない・・・。それは最悪と言うより、この里親の方がおっしゃるように、「政府・自治体の落ち度」。それは早急に改善すべきです。

 
特に子供にとって、里親は自分の本当の両親ではないということがわかるのは「衝撃的」なことですので、それは本当に時間をかけて十分に注意してやっていくべきだし、その後のケアも十分注意するべきだと思います。


また、実の親が自分が原因により、子供を養育できない場合(上記のようなドラッグ中毒など)、もう法律で自動的に「親権」を削除しても良いと思います。もしかしたら、既にそうなっているかもしれませんが、カナダでは・・・。
 
じゃないと、特に子供が一番被害を受けると思うんです。「生みの親より育ての親」というように、「育てられた環境・家族」が子供に取って一番重要。それを考えると、やはり「子供に取って一番良い方法」を元に法律や環境を整備するべきではないでしょうか?


また、日本でもこの里親制度あると思うんですが、あまり認知されていない気もします。日本では逆に「養護施設」等で育てられる子供が多いのかもしれませんね。
 
どちらが良い・悪いという問題ではないと思います。どちらにも長所・短所があると思いますので。ただ同じく「子供にとって一番良い方法」を考えて、上手にこの2つの方法を使うことはできないのかな?と思いました。

Foster Family MAR172017 01

 
例えば、アルコール中毒など自分勝手な理由により養育できない親の場合は、「親権」を一旦停止し、「里親」の元で養育する。そしてその子が自分の出生の秘密・実の親と育ての親を十分理解できる年齢になった際に、「どちらかの親を選ぶ」とか。もしくは、里親→養子縁組という手順込で「里親」の元に行く、とか。

一方、大病などやむを得ない場合、もしくは一時的に実の親と離れなければいけないケースは児童養護施設を利用する、など。



難しく、繊細な問題ですが、子供目線で考えて、カナダでも日本でも子供たちが幸せに成長できる環境を作っていってほしいと思います。。



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