さて今回のブログは先週モントリオールを襲った2つの事件?のうちのもう一つ。


2. セスナ機空中衝突。どちらのセスナ機も”訓練生”が操縦していた。


先週3/17のセント・パトリックスデイ。そんなお祭り気分にふさわしくない、悲劇的な事件・事故がモントリオール市から南の都市・St.Brunoにて発生しました。
 
2機の小型セスナ機が空中で衝突。機体は近くのショッピングセンターの屋根と駐車場に落下しました。

Plane Crash MAR192017 01

(セスナ機の落下現場。CBC Newsサイトより。)

この事件、まだまだ調査中ですが、現在までに以下のことがわかっています。

1. どちらのセスナ機も、Cargairと言う会社の所属。この会社は、セスナ機等のパイロット養成所・ライセンス取得のための学校のようです。
2. このうちの1機、コールサイン(セスナ機の識別記号):GPNPと言うセスナ機を操縦していたのは23歳の訓練生でした。またもう一方のセスナ機(コールサイン:FGOI)の操縦もまだ若い21歳の訓練生でした。
3. 航空管制局は衝突事故の数分前に、このうちの1機、GPNPに「近くに別のセスナ機(FGOI)が飛行中」との警告を発していましたが、GPNPからは応答なし。管制局は引き続きGPNPに呼びかけ、管制局が指定した高度、方角、位置等がきちんと守られているのか再三呼びかけて確認しましたがやはり応答はなし。この時点でもしかしたら何か起こっていたのかもしれませんね。
4. 同じく航空管制局よりGPNPに、「別のセスナ機(FGOI)が左より接近中。指定した高度を守れ。」と再三発信するもののやはり応答なし


そして衝突事故発生・・・。事故の目撃者によると、セスナ機同士が衝突したのち、一方のセスナ機の翼が取れ、それがきりもみ的に落下していった模様。そしてもう一方のセスナ機はクラッシュしていった、と。

まだはっきりとした事故原因は発表されていませんが、現時点で明らかになっている上記点を踏まえると、「GPNPは航空管制局が指定した高度を守っておらず、別機:FGOIと同高度を飛行中に、FGOIがGPNPの左から衝突した」と言うのが事故状況かな?と思いました。


ただこの2名のパイロット、その命運を分けたのは実は3/14に発生した吹雪だったんです。
 
21歳の訓練生が操縦していたFGOIは、ショッピングセンターの駐車場に落下。この訓練生は死亡しました。


一方23歳の訓練生が運転していたGPNPは、ショッピングセンターの屋根に落下。ただし、2日前までの吹雪の影響で屋根には雪が積もっており、その雪がクッションとなりこの訓練生は怪我は負いましたが命に別状はないとのことです。

Plane Crash MAR192017 02


そして、この事故を起こしたセスナ機を所有している会社のオーナー:Daniel Adamsさんによると、両訓練生ともに中国人で、この会社は中国から年間150人ほどの訓練士を受け入れているようです。FGOIを操縦していた21歳の訓練生は飛行時間はまだ40時間ほど、GPNPを操縦していた訓練生はすでにライセンスを持っていて、140時間ほどすでに飛行経験があったようです。


Daniel Adamsさんによると、事故当日は雲一つない快晴。こういった日は逆に「空の混雑」が懸念されるのだそうです。つまり、天気が良いので皆飛行したがる・・・。

 
結果、航空管制局からの通信に齟齬が出たりする恐れも否定できない、と。ただし、パイロットはそのような状況下での対応も訓練されている、とも言っております。


現在、航空安全委員会が事故原因の調査を進めていますので、近いうちに事故原因がはっきりしてくるでしょう。

 
また、航空管制局からの通信に応答しなかったGPNPの操縦者からの事情聴取もあるでしょうから、近いうちに原因究明できるのでは?と思います。


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