昨日の土曜日、モントリオールに2校ある英語系大学のうちの一つ・コンコルディア大学の前にて、デモ隊同士の小競り合いが発生した模様です。この衝突によるけが人や逮捕者は出ていません。不幸中の幸いってところですかね。

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(警察による警備。CBC Newsサイトより。)

この衝突、きっかけはこのコンコルディア大学内のある団体(QPIRG Concordiaと言う団体)が、「極右に対抗しよう・抵抗しよう」と言う趣旨の集会を開いたことがきっかけでした。


これに対して、右翼・極右と考えられる団体・”現状を憂慮するカナダ市民連合”(the Canadian Coalition of Concerned Citizens)が、逆に「テロリストに対する集会」と題してこちらも集会を始めたことでした。


記事を見ると、QPIRG Concordiaが開いた集会に対抗して急きょthe Canadian Coalition of Concerned Citizensが対抗の集会を開いたようです。


これはカナダ、特にケベック州で長い間続いている対立でもありますし、ヨーロッパやアメリカでも見られる、「移民(特にイスラム系) vs 地元民」と言う構図にも見えます。たぶんそれで間違いないでしょうが、私にはもう一つの構図も見えます。それは「現実をまだ知らない、社会経験のない理想主義の学生と、社会経験豊富で、それによって現実を知っている労働者」の対立。もしくは、「高学歴で高収入、安定した生活を送れるであろう人々と、低収入で自分の職が移民に奪われることを危惧する人々」との対立ともいえると思うんです。

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このコンコルディア大学には日本を含めて世界中からたくさんの留学生が来て勉強しております。その中でも特にイスラム系の学生がこの集会を主導したと見られています。はっきり言って学生さんですから、青臭い理想主義に動かされ、また「自分たちの方が絶対的に正しい」と言う、これはどこの世界でも新卒に見られるような「社会経験がないのに、自信だけは過剰にある」人々が計画したもの。つまり、「この集会を企画することによる影響」とか、周りのこととか一切考慮に入れることができないまま実行したように思うんです。


勿論、自由に自分たちの意見を言うのは良いと思います。が、現状イスラム系の学生さん、移民、人々が置かれている立場も十分考慮する必要があると思うんですよね。多分それも考慮しているのかもしれませんが、正直現在のカナダ人の半数近くはイスラム系住民に関しては良い印象を持っていません。それは以前のブログでの世論調査結果でもはっきりしているところです。そういった状況でさらに「イスラム教を守れ。イスラム教を敵視する右翼に対抗しよう。」と言う趣旨の集会が開かれれば、反発が出ることはちょっと考えればわかるはず。


先週のブログでもお伝えした通り、モントリオールであるイスラム教指導者がユダヤ教徒の殺害を推奨するような発言をしたり、モントリオール出身のイスラム系カナダ人がISISへ軍事訓練を行ったことでトルコ当局に逮捕されたり、批判の多かったM-103動議が可決したりと、イスラムに関する負のイメージが多いように思います。


私は特にイスラム教が嫌い、アラブ系が嫌い、と言うのではありません。たくさんのアラブ系・イスラム系の友達もいますし、中東にて2年弱働いた経験もあります。ただ、現在のカナダの状況は「バランスが取れていない」と思うんです。


「自分たちイスラム教徒は守られるべき。社会の方が変わるべき。」として、自分たちには変わる意思がなく、周りに自分たちイスラム教を守らせようとする意志が見えるのが、今カナダの半数近くの人たちがイスラム系を快く思わない原因の一つだと思うんです。その最大の例がM-103。なぜイスラム教だけ名指しで保護されないといけないのでしょうか?


カナダ国内には今でも沢山の差別的な問題があります、イスラム教以外にも。アジア系への蔑視、先住民(ネイティブ・カナディアン)への蔑視、アフリカ系への蔑視、などなど。また、貧困問題等もあり、解決しなければいけない問題、保護されなければいけない人々はたくさんいる中で、「イスラム系」だけが特別扱いされるいわれは何なのか・・・。


この部分にイスラム系住民は気づいていないのが問題だと思います。キツイ言葉かもしれませんが、イスラム系は「調子に乗っている」状況だともいえると思うんです。「自分たちは被害者」と言う意識しかないのかもしれませんが、上記例のようにテロを世界各国で起こしているのも、また不穏な発言をしているのも同じイスラム系。そういった状況で、自分たちは被害者、自分たちこそ守られるべきだという発言を公にしてしまうと、それは反発を食らうのは目に見えることですが、社会経験・人生経験のない学生さんにはそこまで予想はできなかったんでしょうね・・・。


私はやはりどうしてもこういった問題を解決するには、警察や政治家など公的機関・スタッフに主導された、双方の歩み寄りが必要だと思うんです。イスラム系があれこれ「要求」だけするんのではなく、「イスラム教、イスラム系住民をもっと知ってほしい」と言う趣旨の集会やボランティアをしたり、特に上記the Canadian Coalition of Concerned Citizensに対してもっとイスラム系を知ってもらうようなアプローチをするべき。


逆にthe Canadian Coalition of Concerned Citizensも、なぜイスラム系に反発するのか、自分たちの気持ちを率直に伝えて、お互い改善に向かって話し合いを進めるべきだと思います。今はお互いがお互いの主張だけして歩み寄りがない、感情的な対立になっていると思います。


正直、今のカナダ政府にはこの問題を解決する能力はないと思います。
 
元々自由党自体が左寄りなので、移民・難民積極受け入れ派。それはトルドー首相の言動に表れています。が、国内ではこれだけ不満がたまっているのに何も対応をしない・・・・。すでにトルドーさんの支持率も下落している通り、はっきり言ってカナダ国民はトルドーさんの政権に不満を持っています。


次の総選挙まであと2年。それまではトルドーさんの政権は揺るがないでしょうが、次はぶり返しで保守党が政権を握る可能性が大きいと思います、このまま現状が変わらなければ・・。


大規模な感情的な対立が起こる前に、連邦政府が率先して問題解決に動く、公平性を持った対応策を取ることを心から期待しております・・・。



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