カナダ・モントリオールに本社を置く、世界的な鉄道・航空機製造・運用会社のボンバルディア
日本のANAなどの航空機としても使用されているものもあり、またモントリオールやトロントの地下鉄やバスもボンバルティア製品が沢山ありますし、ヨーロッパでも飛行機などが採用されています。


このカナダを代表する世界的企業、実は今までも幾度か経営危機に瀕して、その度に税金が投入されて生き延びてきていたんです。
 
ちょっと前の日本のJALと同じ状況なんです。どちらも、その国を代表する企業なので、国のメンツにかけて倒産させてはいけないということで、時の政府が巨額の税金を投入し延命させています。
まあ、日本の場合はJAL以外にも世界的にも知名度のあるANAがあるので、無理やり延命させる必要があったのかどうか、いまだに疑問です。。逆に、公正な取引を阻害した気もするんですよね。ANAがNational Flagになっても問題なかったと思いますよ。
 
ただ、多分当時の政権・政治家とJALとの癒着の方が強かった、と言うことでしょうね。


話はボンバルディアに戻りますが、こちらも同様に国民の血税が使われて何とか延命。ただし、その間にはリストラなども頻繁に行われておりました。

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私の記憶が正しいとすれば、確か2012年-2013年頃にも大量のリストラをしていたはずです。ニュースにもなっていましたから。


さてそんなボンバルディアが今回物議を醸しだし、強烈な非難にさらされているものとは・・・。
普通の・常識的な考えを持つ人であれば予測できたことだと思うんですが、実はボンバルディアの経営陣の2016年の給与額が2015年に比べて大幅にアップしていたんです。
 
具体的には、ボンバルディアの経営陣TOP5名の2015年の給与は約2,190万USドル(25億円ほど、つまり一人当たり5億円くらい)だったのが、2016年には約3,260万USドル(約35億円ほど、つまり一人当たり7億円くらい)

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いまだに国民の血税数百万ドルが投入されている企業、しかもリストラなども並行して行われている企業にも関わらず、本来経営失敗の責任を取らなければいけない関係者、国民の血税を投入しているにも関わらずはかばかしい結果を残せていない状況に対して責任を取らなければいけない人たちが、常識はずれの大幅な昇給(前年比で2億円のアップ!)していたんです。。。それは誰でも怒りますよね。。


しかもボンバルディア側の言い訳は、「才能のあるスタッフ・人材を採用するには、ある程度の高級は仕方がない。しかも、彼らの給与はインセンティブベースがほとんどで、全額支払われるかどうかは結果次第。」と。

 
インセンティブ契約にしていることは問題ありません。ではそのインセンティブ契約の中身はどうなのでしょうか?誰でも達成できる、ハードルが低く設定されている可能性が大いにあると個人的には思っています。


要はボンバルディアの経営陣は、「この会社を立て直すより、投入された税金を山分けしよう。」っていう考えで裏で色々動いていたのでは?と思います。


今年の1月か2月のブログでもお話ししましたが、モントリオール地下鉄に投入される予定だった新車両。これはボンバルディア製品でしたが、欠陥が見つかって導入延期。
 
また、トロントでも新しい市バスをボンバルディア製品に変えたが、こちらもトラブル続発で結局契約破棄されていました。こういう不祥事が続いたにも関わらず、昇給って・・・。それでは「税金をネコババしている」って言われても当然だと思います。
 
また、そういう人たちは「才能がある」人達ではないと言うのもしっかり証明されていますから、昇給どころかリストラの最優先候補だと思いますよ。


現在も政府からの支援が入っているので、政府の意向に沿う形にはなると思うのですが、一般市民の感情としてはまず経営陣は即刻退陣するか、刷新するべき。
 
一般市民の一般常識感覚がわからない人たちは「無能」だと思います。だって、その感覚がない人たちが市場原理を理解できているとは思えないから。
 
何より「管理」する能力なんて一切ないと思うからです。まずは彼らを即刻解雇し、そして新しい経営陣は「常識的な給料」で一般公募かければよいと思います。そして、「インセンティブ」も明示してそれでプラスアルファの金額をつける。


それくらいしないと、「税金横領企業」として不名誉なレッテルだけ貼られると思います。実際、カナダ国民のこのニュースに対するリアクションはかなり大きいですよ。
 
まあ、世界的な大企業だし雇用や経済に影響が出るということで政府が肩入れしたのでしょうが、それなら政府が責任を持ってボンバルディアの指導をすべきです。それが税金を使用してまでもこの企業を延命させた政府の責任だと思います。

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