以前当ブログでもお伝えした通り、現カナダ政府は2015年の総選挙時に公約した「大麻合法化」に向けて動いており、来年2018年の建国記念日(7/1)に合法化する、と言う計画を立てています。
この問題に関して、本日カナダのGlobal Newsのニュース番組「The West Block.」にアメリカ・コロラド州の州知事・John Hickenlooperさんが出演し、4年前に彼の州が大麻合法化してから今までの歩み、問題点などを語っておりました。

Weed APR022017 04
(コロラド州の州知事・John Hickenlooperさん。Global Newsサイトより。)

それによりますと、John Hickenlooperさん及び当時の州政府関係者・政治家の人たちも、今カナダの人たちが心配するように、大麻合法化により「未成年者に対する影響、大麻の誤飲、公共の安全性への影響」などが不安視されていました。

 
確かに、私でもそれらは大麻合法化に伴い悪化したり、悪い方向に行くだろうなって考えてしまいますし、当然の不安かもしれませんね。


が、John Hickenlooperさんによりますと、大麻合法化から4年、上記不安に思っていた点は実際に問題として発生しなかったようなんです、コロラド州では。

 
例えば、未成年者のドラッグを含めた大麻使用率は合法化前とほぼ変わらないという統計データが出ているようなんです。むしろ、大麻合法化により、年配者のドラッグ使用率が上がったみたいです。これはちょっと予想外だった、と。

Weed APR022017 02

 
でもまあ、大麻が合法化されたことにより、大麻以上の刺激を求めて別のドラッグに走るというのはあり得ることですからね。


John Hickenlooperさんも、公共の安全性と未成年者・若者のドラッグ使用には十分と注意しつつ、予想もしないような結果が出る可能性があるのでそこは十分注意した方が良い、とアドバイスしていました。


また、現在コロラド州では大麻に関するビジネス市場が10億USドル(およそ1100-1200億円)規模になっているようで、規制の再構築が急がれるとも話しておりました。

Weed APR022017 03

 
例えば、家庭内で個人使用として栽培できる大麻の数の上限見直し、食べることができる大麻の管理方法などなど。


でも正直個人的には、本当に未成年者のドラッグ使用率に変化がないのか、また公共の安全性は保たれているのか、疑問があります。
 
どうやって未成年者のドラッグ使用率を調べたのか不明ですし、そもそもタバコなどですらきちんとコントロールできていない、未成年者が安易に手を出せる環境の中、本当に大麻合法化による影響がないとは言えないと思うんです。


一番大事なのは、親御さんの認識と教育だと思いますが、それでもやはり法的にリミットをかけておいたままにした方が良いと思うんですが・・・。

Weed APR022017 01


また、ドラッグ使用による犯罪等も本当に変化ないのでしょうかね??
少なくともバーやパブ、レストランなどの公共の場でのトラブルは増えていると思いますし、また大麻を足掛かりにしてより中毒性の高い、トリップできる違法ドラッグに移行するっていうのも容易に想像・予想できますし。


John Hickenlooperさんは、カナダ政府がもし何か質問やアドバイスが欲しい場合は遠慮なく言ってほしい、と言っていました。

 
ぜひカナダ政府はコロラド州にスタッフを派遣して、もう少し詳しく大麻解禁による影響(良い影響も悪い影響も含めて)調査するべきだと思いますよ。


私自身は本当にドラッグなんて詳しくないですので何とも言えませんが、いま世界中でタバコの値段を上げたり、喫煙場所を制限したりと「喫煙者」を減らそうと取り組んでいる中、「大麻使用者」だけはあたかも「増やそう」としているようにも見えます。

 
ここのところが良く理解できないんですよねー。。ちょっとうがった見方かもしれませんが、日本で残業規制問題が骨抜きにされ、「お金のためなら企業は社員を殺してもよい」と言う風なルールを作ったように、カナダでもコロラド州が示しているように大麻市場からの経済効果を期待して、「中毒者が出たり、公共の安全性が下がったりして一般市民に悪影響を出しても良い、その分お金が転がり込めば。」っていう意志の下にこの大麻合法化を政府主導で進めているのでは?と勘ぐってしまいます・・・。
(当ブログ記事内で使用している写真・画像等は、特に出典の明記がない限り、著作権フリーの画像及び私が撮影したものを使用しております。)