前回のモントリオール国際空港がらみのブログでは、空港内の立ち入り禁止地区へのアクセスを持つスタッフのうち複数名に「信条的に好ましくない傾向が見える」人達がいて、セキュリティーに不安がある、と言うカナダのテレビ局のレポートを紹介しました。またその際、モントリオール国際空港のセキュリティーの甘さも指摘されていました。


そして今回、今度はカナダ全土をカバーするラジオ・テレビ局であるCBCが問題提起しております。


事件は今年の2月21日に発生。当日、CBCスタッフはアメリカへの渡航のためにモントリオール国際空港内にいました。すると携帯電話の識別番号をキャッチするソフトウェア・IMSI(加入者識別番号)キャッチャー(Stingray)が近くにあるのを発見したそうです。

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(サンプル画像。CBC Newsサイトより。)

これは、CryptoPhoneと呼ばれる、セキュリティー用品がその存在を検出して発見できたようです。

このIMSIキャッチャーは、専門家によると、リアルタイムで盗聴ができたり、通話記録やその他携帯内の情報を不正に取得することができるそうなんです。。怖いですね。。
 
ただこの問題、実は2/21の1週間ほど前に、カナダの首都・オワタでも発見されているんです。


そしてここからは私が怖いな、と思ったんですが、このIMSIキャッチャー、公式には明らかにしていませんが、カナダの警察機構、安全・セキュリティーをつかさどる部署、外務省や入国管理局などが使用していると言われているんです。もちろん、セキュリティー上の理由により、ですよ。


また、空港内にはもちろん隣国・アメリカの政府関連施設もあり、そこでもこのIMSIキャッチャーを使用している、とも言われております。
 

今回のケースは、「犯罪組織が行ったこと」と言う面も否定はできません。空港内にはいろいろな人たちがいますし、旅行者ももちろん多いです。なので、その旅行者を狙った犯行と言う可能性も十分あると思うんです。

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(モントリオール国際空港。CBC Newsサイトより。)

CBCとしては上記政府事務所やアメリカ政府関連施設へ問い合わせをしたようですが、勿論回答はなし。
 
まあ、自国のセキュリティーを守るため、っていう理由での盗聴等もわからなくはないんですよね、実際のところ。

だって、これもタイムリーな話題ですが、今週トロントでISISに関係があるとしてアラブ系カナダ人が逮捕されているんです。彼は過去にトルコ経由でISISにわたったみたいなんですが、その後トルコ当局に拘束されカナダに強制送還されたみたいなんです。で、懲りずに今回またカナダを離れ、ISISに向かおうとした。。多分、このIMSIキャッチャーのような技術を使って、カナダ政府当局もこの人物をずっとマークしていたんだと思います。


それで、今回確証があっての逮捕かな、と。
であれば、勿論プライバシーの侵害等の問題もありますが、IMSIキャッチャーの使用もわからなくもないかな、と・・・。


ただでさえ、ネット社会になって個人情報がダダ漏れになっている状況で、多分PCよりもはるかに所持者が多い携帯やスマホから情報が洩れる、しかも自分で気づかない間に情報が盗み取られるとなると、もうどうしていいのか、何をすればよいのかわからなくなりますよね・・・。


ホント、怖い時代ですよね・・・。


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