先月3月28日の当ブログにおいて、「やっぱりどうしても理解できない・・・。映画産業における”白人キャスト”に対するクレーム。」と言うお話しをさせていただきました。
 
また、2月18日の当ブログにおいても、「世の中病んでるなー・・・。スーパーモデル(Karlie Kloss)の和装が批判の的に。Cultural Appropriationって何?」と言うお話を載せております。


最近こういった、いわば「難癖」をつける人たちが多くて、それもSNSなどを利用してその「難癖」を拡散し、あたかも自分たちが正しい行動を行っているようにふるまっています。
 
そもそもこういった難癖をつける人たちは、「当事者」ではなく明らかに「部外者」。例えば上記スーパーモデルのKarlieさんへの批判なんて、私には「リッチで美人のKarlieさんに対する嫉妬」から出ているだけ、としか思えません。

 
第一、日本人で彼女の和装に文句をつけている人は一人もいませんから。それを部外者が、彼・彼女たちの「押しつけがましい理論」を当てはめて、「日本人も嫌がっているはず」と言うおかしな「脳内変換」して難癖をつける・・・。


ただ、それに対して被害者が過剰に反応(謝罪)することも問題だと思うんです。
はっきり言って、そんな「自分勝手・独りよがりなクレーマー」にいちいち付き合っていたら何もできないですよ。だって、上記理論で言えば、次のような「難癖」もつけられるということですから。

- 寿司を日本人以外のスタッフが作るのは日本文化への侮辱だ。
- ビザやパスタをイタリア人以外のスタッフが作るのはイタリア文化への侮辱だ。
- チャイナドレスを中国人以外が着るのは中国文化への侮辱だ。

とか、逆に3月28日のブログのように、

- 寿司店で働いているのがアジア人ばかりと言うのは公平でない。他の人種も入れるべき。
- この会社の受付には白人しかいない。もっとほかの人種も入れるべき。

とか。もうわけわからないですよね。

ちなみに、「就職・雇用」に関しては、そういった条件を重視している会社が多いですよ、カナダでは。
 
仕事に応募する際、たいていの会社で必ず聞くのは:

- 性別
- 人種
- 障害の有無

などです。これはそれによって差別するのが目的ではなく(もしかしたらそうしている会社もあるかも・・・)、色々な人を受け入れ、会社自体の文化をカラフルなものにする。
沢山の考えや性別等の違う人たちを入れる、と言う「平等・公平」の精神からきているものなんです。
でもね、これってあくまでも「応募要件を満たしたのち」の判断になるんです。当たり前ですけどね。例えば、お医者さんポストへの応募で、医師免許もないのに「性別・人種・障害の有無」だけで採用されるわけはありませんよね??


上記「難癖」をつけている人たちって、まさにこの部分だと思うんです。「基本的・最低条件」に当てはまらないにもかかわらず(むしろ、当てはまらないことが悔しくてたまらないから)、「性別や人種」等を盾にクレームを起こす。
 
上記例で言えば、「アジア人・女性」と言うマイノリティーに部類されるから、医師免許は持っていなくても、「公平性」の観点から私を医者として雇え、って言っているようなものですよね??


それがあたかも「まともな論理」として通っているのが恐ろしい・・・。既にアカデミー賞などの映画産業やハリウッドでもこういったことが当たり前になってきつつありますよね。

FILM APR082017 02

 
つまり、脚本家や映画監督は、彼・彼女らが思い描くストーリーや配役・キャスト(就活における、応募の”最低条件・基本条件”)を考える前に、まずそのストーリーや配役・キャストが「全ての人種・性別の人に受け入れられるかどうか」を考えないといけないなんて。。そんな映画やTV番組、面白いですか??
 
それって、結局どの映画も「同じような人種・性別の配役で、ストーリーも全ての人種・性別に受け入れられるもの」って感じで似たようなものばかりできそう。


実際そこまで気を使わないといけないのであれば、監督などの製作者側の色と言うか味と言うか、そういったものが一切出てこないものになりますよね。もう「芸術」ではなく、「流れ作業・業務」の一つしてしか映画やTV番組は見れなくなると思います。


意味をはき違えた「公平性」により、「個性」が殺される時代・・・・。

FILM APR082017 01


アメリカだったかヨーロッパだったか忘れましたが、今後の映画やTV番組に関するブラックジョークがありました:
 
「今後ヒットする映画やTV番組の主演・主要キャストは、”黒人(もしくはアジア系)”で、”女性”で、”レズビアン”で、”心身に何かしらの障害を持つ”人だね。」


でも本当にそんな映画・TV番組が沢山出てきそうで怖いです・・・。


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