ケベック州の州都であり、観光名所のケベックシティ。訪ねられたことがある方はご存知かもしれませんが、観光名所の一つであるChateau Frontenacホテルの近くにはいつも観光用の馬車が待機しています。私も何度かケベックシティは訪れていますが、この観光馬車には一度も乗ったことはありません。


まあ、わざわざ乗る必要もないと思うし、何より真夏の高い気温の中働かされている馬が気の毒なくらいですし。さてこの観光馬車、実は本日2つほど事件を起こしているです。原因はまだ調査中のようですが、ひとつは突然制御不能になり歩道に乗り上げ、馬車自体が転倒したケース。もう一つは同じく歩道に乗り上げて馬と馬車が転倒。そのまま数時間、周りの人たちも協力して救助作業が行われたようです。幸い、両ケースとも馬と馬車の運転手には軽症だけで命の別状はなかったようですが。

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(倒れた馬車と馬。CTV Newsサイトより。)

ただこの馬車、実はずっと前から市民からクレームが出ており、禁止措置を取るようにと言う願いも出されているんです。理由としてはやはり交通の安全上の問題。今回のようなケースもありますし、まず車道を馬車が走っているのがかなり危険なケースも多いんです。特にこれから観光シーズンになりますしね。


またこの馬車、モントリオール市内の旧市街(観光名所です)でも見れますし、こちらも同じくクレームが出ているところ。私は個人的には衛生上の問題もあると思うんです、特に夏場。馬の排せつ物のにおいとか・・。確かにモントリオールの旧市街の馬車の溜まり場?的な場所ではちょっと臭いが強烈だったイメージがあります。もうかれこれ2-3年前ですが・・。

CALECHE MAY212017 01
(馬を助けようとする人たち。CTV Newsサイトより。)

実は去年5月、モントリオール市長のDenis Coderreさんがモントリオール市内での馬車運営を1年間差し止めるというルールを制定したんですが、業者の反発を招き、最高裁まで争われ結局「市の越権行為」として敗訴したんです。またその後、去年12月には$500,000カナダドル(約4,000万円)ほど使って、現在の馬車業者の規制追加・業界やサービス改善を行ったのですが、それも一向に効果が見えません。。


個人的には確かに観光産業としての馬車はお金になるのかもしれませんが、そもそも繊細で臆病な生き物の馬を、交通量の多いモントリオールやケベックシティで働かせること自体がおかしいと思います。また、寒冷地の生き物ですし、やはり夏場はかなりつらいと思うんです。つまり、現在の環境の変化が馬の働く場所として適当ではなくなってきていると思うんです。


この「馬車業者を廃止にさせよう」と言う運動を行っている人たちは、他の都市、例えばロンドンやパリ、そしてトロントのようにモントリオールやケベックシティも馬車を廃止すべきだと主張しています。私も時代の流れ的にもう廃止にした方が良いと思います・・・。


これでちょっと思い出したのが、地元・九州は福岡の屋台。こちらも衛生上の問題等があって、色々と地域住民からのクレームが出る始末。結果、現在屋台の営業許可証を持っている人たちより後ではもう新規で営業許可証を出さない→つまり、段階的に屋台をなくしていく、と言う話を聞きました。


確かに屋台業者さんにも生活がありますからね。同じように馬車業者さんにも生活があるでしょうし、馬の引き取り手などもあるでしょうから、そういった「再就職」も含めて話をしていくべきだろうなーって思いました。


馬車は夏場の観光シーズンでは目玉でしょうが、やはり動物愛護団体ではありませんが、傍から見ていても真夏に働かされる馬はあまり気持ちの良いものではありませんので、早めに結論が出てくれれば、と思います。


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