日本人にとってカナダと言えば連想される観光地の一つに「プリンスエドワード島」があげられると思います。

かの有名な「赤毛のアン」の舞台の島。本日はこの島からのニュースです。


プリンスエドワード島に住むKris Currieさん。

彼の家は”省エネ”をベースに設計されています。
壁の厚さや窓の位置、家電製品等にも気を使い、さらに内装の色も自然光を取り入れる仕組みになっており、日中は室内灯をつける必要もありません。

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(Kris Currieさん。CBC Newsサイトより。)

つまり、彼の家は”電気代0ドル”の家であり、全ての電力は家の屋根に取り付けられた35枚のソーラーパネルから生み出されているんです。


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(Kris Currieさんの家の電力をすべて賄っているソーラーパネル。CBC Newsサイトより。)


ただ、彼は知らなかったのです、いくら”電気代0ドル”の仕組みを作り、電力会社から電気を買わなかったとしても、HST(Harmonized Sales Tax = 統合売上税)はかかるということに。

HSTとは、カナダのGST(General Sales Tax = 売上税、カナダ全土に適用される)とPST(Provinsial Sales Tax = 州毎に設定されている売上税)の合算値。つまり、消費税みたいなものです。

彼の住んでいるプリンスエドワード島では、各家の持主は彼のように自分たちで電力を賄うことを許可しており、またその家で使いきれない電力はMaritime Electricと言う会社が買い取り、顧客に販売するという形態をとっています。


まあ、だからと言ってこのMaritime Electricと言う会社から電気を買ったわけでもなく、自分で電気を作って自分の生活に使っているだけでそこには政府もMaritime Electricも何にも援助も介入もしていないにも関わらず、「使用した電気量」に税金を掛けられるって、それは無法だと思います。

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(電気使用量0なのに、税金だけが徴収されているレシート。CBC Newsサイトより。)

もし彼が建てたこの「電気代0ドル」の家が、例えば政府の資金援助を受けていたとか、Maritime Electricから技術提供してもらったなどと言うことがあれば、消費税と言う形はそれでもおかしいですが、何かしらの”支払い”があってもおかしくなかったかもしれません。


でも彼は一からすべて自分の資金でこの家を建てています。自分たちは何のコストも努力も行わずに、”税金”と言う名前で一方的に搾取する・・・。

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(メーターの値は税金徴収とは関係ないと思いますけどねー。CBC Newsサイトより。)

これに対して地元政府やMaritime Electricは、「連邦政府の税法では、HSTは電力メーターに応じてかけられると定められている」と答えております。つまり、「電力を買おうが自分たちで賄おうが関係なく、電力メーターによって」税金がかけられるってこと。
それはそれでまた意味の通らない話ですよね。


まあ、こんなバカげた税法は早く改正し、「当たり前」の生活ができるようにしてほしいですねー。


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