先週のブログでもお伝えした、ケベック州北部での連続殺人事件。
こちら、カナダの先住民族でもあるInuitの街で起きた衝撃的な事件でした。

これまでに分かっていることは、犯人は19歳のIllutak Anautakで、最後は警察官により射殺されたということと、被害者3名が亡くなったということ。ここまでは先週のブログでもお伝えしていた点ですが、その続報です。

まず事件はIllutak Anautakが叔父の家に侵入したところから始まったようです。Illutak Anautakはそこで叔父を刺したのち、今度は叔母の家に。幸い叔母のEva Anautakさんと3人の子どもは助かりましたが、最初に家に侵入されたLucassie Anautakさんと、叔母のEva Anautakさんの交際相手Eli Qinuajuakさん、そしてEva Anautakさんの息子のPutulik Anautakさんが亡くなりました。


この事件、その後犯人のIllutak Anautakの幼少時からの友達がテレビやニュースなどでIllutak Anautakが送ったつらい子供時代(母親が交際相手に殺されたり、お兄さんが自殺をしたり)にもかかわらず、Illutak Anautakは前向きに生きていたことを証言。ただ、最近会った時にはちょっと様子が異なり、物静かになってちょっと行動もおかしかったそうです。

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(犯人のIllutak Anautakとその友達。CBC Newsサイトより。)

その後の調べでIllutak Anautakは何かしらのストレスや不安から、「アルコール依存症」に陥っていたことが判明。警察の厄介になり、警察署で一夜を明かすこともあったそうです。


そしてこの事件が起きた地域・Akulivikは、人口約600人ほどの小さな小さなInuitの街ですが、2017年の現時点までで、アルコールが原因の事件(殺人や傷害、暴行など)がなんと53件も起きているそうです。

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(今回の事件が起こったAkulivik。小さな集落です・・。CBC Newsサイトより。)

ただこれが果たして「アルコール依存症」に起因した事件なのかは不明。と言うのは、これはAkulivikで警察官として働いていた人がニュースで言っていたんですが、アルコールを制限・禁止したところで効果はないだろう、と言っていました。確かにそうだと思います。例えばモントリオールでも午前3時ごろまでお酒を飲んで騒いでいる人たちが沢山います(ケベック州では飲食店がアルコールを提供できるのが午前3時までとなっていて、他の州より時間が長いんです)し、他にもアルコールを提供しているところは世界中に沢山あります。


そもそもの問題点として上記Illutak Anautakの友人やこの元警察官が指摘しているのが、「カウンセラー」の存在。


このAkulivikと言う地域はモントリオールから1日以上のフライトでようやくたどり着けるかなり離れた場所。ケベック州がカウンセラーを派遣しても、皆1か月くらいで辞めていくそうです。また、Inuitは独自の文化・言葉がありますが、赴任するカウンセラーは英語もしくはフランス語しかしゃべれず、地元の人たちをまるで「移民」みたいな扱いをするそうなんです。そういったカウンセラーを地元の人たちが一切信用しないのもうなずけます。結果、心に何か不安やストレスを抱えている人たちはそれを抱えたまま、アルコールなどの手段に走る・・・。

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(行政の不手際でアルコールに走る人たちが増えています・・。CBC Newsサイトより。)

これはもう行政の責任だと思います。


トルドーさんは外向けには「カナダは移民国家であり、移民をこれからも受け入れる」と大きなアピールをしていますが、国内での文化・言葉の壁問題を解決できてないのに、さらに異なる文化・言葉の人たちを受け入れてどうするのでしょうか?


私はこの事件に、現政府の「外面重視」政策を見た気がします。要は、「人気が出るためなら何でもするけど、それ以外のことには一切手を付けない」と言うやり方。うーん、トルドー政権はカナダ国内でもまだ結構高い支持率を維持していますが、私はこの政権には期待していません。と言うのは「左寄り」過ぎるから。目線がいつも「カナダ以外(の人々・地域)」にいって、自分たちがどれだけ寛大かをアピールするのに一生懸命。でも決して目線を足元に落とさないので、国内のこういった問題や移民問題には対応が遅い、もしくは一切対応しない・・。


元々カナダは中部・東部は左寄り(Liberal)で、西部は保守(Conservative)でした。トルドー政権の前は西部を中心に支持率の高かったConservativeのハーパーさんが担っていました。たぶんその反動で2015年の選挙はLiberalのトルドーさんが勝ったと思いますが、2019年はどうなることでしょうか・・・。多分、このままいけばトルドーさんのLiberalが勝つ可能性が大きいと思いますが、何か大きな事件、例えばテロ事件などが起きれば状況は一変するでしょう。ケベック州など東部でもConservativeやNDPなど、Liberal以外の政党の巻き返しも始まっています。


個人的には上記のような国内問題にきちんと手を付けない現政権、つまり「カナダ国民に選ばれたのにカナダ国民の利益になることを優先しない」現政権は、次の選挙では負けてほしいと思います・・。


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