今年1月頃より増えた、アメリカからカナダに不法入国してくる難民申請者
カナダ政府によりますと、この不法入国者の数は現在落ち着いてきているとのこと。4月は約859人が不法入国後に難民申請し、5月はその数を742人と減らしているようです。が、以前例年と比べてかなり大きな数のようですが・・。


さてそんな不法入国者の一人、Zain Alabdullahさんが記者会見を開き、自身の難民申請がカナダ政府に受け入れられなかったことを非難しかつ政府に再考を促しているようです。彼女はシリアからの難民者で、最初にアメリカに入国後難民申請し、その待ち期間の間にケベック州に不法入国してカナダでの難民申請をしていました。

IlligalCrossing JUN252017 01
(Zain Alabdullahさん。CBC Newsサイトより。)

が、アメリカとカナダの間にある”the Safe Third Country Agreement”により、最初に訪れた国アメリカで難民申請している人はカナダでは難民申請できず、アメリカに強制送還されることになります。これは、アメリカ・カナダ間だけでなく、国境を接する国々ではよく行われていること。と言うのは、難民申請を複数国で認めてしまうと、難民者は好きな国に行ける・国が偏るなどの問題があるためです。


Zain Alabdullahさんにも同情する点はありますが、きちんと正規の手順を踏んで難民申請待ちしている人たちを飛び越えて、横入りの形で難民申請をして、且つ援助する人たちと言う世論を力にルールを変えようとする姿勢はいただけないと思います。ニュースではZain Alabdullahさんを支援する人の声だけが拾われていますが、コメント欄にはZain Alabdullahさんに対する批判、支援する人たちへの批判が圧倒的です。それはもちろん上記理由によるもの。他にも苦しい立場の人たちが沢山いて、その人たちはじっと耐えて待っているんです、難民申請の許可を。


それをいきなり飛び越えて、支援者を背景に力ずくで結果を変えようとするやり方はカナダ人以外でもやはり認められるものではないでしょうね。


Zain Alabdullahさんは今後アメリカに強制送還されるでしょうし、一度カナダへの難民申請をして却下された以上、今後2度とカナダへの難民申請はできません。言葉は厳しいですが、これはやはり自業自得と言うものでしょう。


繰り返しますが、彼女の状況には同情する部分もたくさんあります。が、彼女のやっていることはいわゆる「弱者ビジネス」と同じようなもので、同情を買って、支援者の力を背景に無理やりにでもルールを変えようとするやり方です。これを認めてしまうと、もうカナダは法治国家ではなくなります。一度許すと同じ行動をとる人が増え、結果カナダは世界中に「難民申請すればだれでも受け入れますよ」と言う誤ったメッセージを送ることになります。


前にもお話ししましたが、各国政府の存在意義の第一義は国内の自国民を守ること。
難民の方たちを助けるという人道的な介入ももちろん大切ですが、まずは国内に混乱を及ぼさないよう・悪影響が出ないように政策を進めて行くのが道理です。


そういった意味でも、今回のこのケース、カナダ政府が毅然とした態度を取り、決定を覆すことがないように祈ります・・。




(当ブログ記事内で使用している写真・画像等は、特に出典の明記がない限り、著作権フリーの画像及び私が撮影したものを使用しております。)
スポンサードリンク