(** 訂正:ケベック州議会選挙の投票日は11月と言っていましたが、来月10月1日に投票が行われます。すいません、間違えていました・・・。**)

当ブログでも何度かお話ししている通り、ケベック州の州議会選挙が今年の10月に行われ、そのための選挙戦が先月8月末に封切られております。選挙での注目の一つが、与党であるリベラル党の過去4年間の実績がどう評価されるか、と言う点。言い換えれば、リベラル党の実績が評価されればリベラル党の勝利になるだろうし、逆に評価されなければ政権交代が起きる、と言うこと。


元々医者でもある現ケベック州政府首相でありリベラル党党首のPhilippe Couillardさん。この選挙戦において、ケベック州内のファミリードクターや看護師、眼科医を増やすことを公約として発表しています。


が、前のブログでも書いたように、過去4年間、ケベック州の医療に対して何の進歩も促してこなかったうえに、仕事のできない厚生大臣を擁護していたのに一転この発言。私は個人的には、過去4年間何もできなかった、少なくとも医者でありながら現場の問題点を知っていて放置していた人が、次の4年間で公約に掲げたことができるとは全く思えず、「明らかなウソ」としか思えません。


また他にも色々と政策の違いが政党ごとにあるのですが、経済政策については、リベラル党とCoalition Avenir Quebec(CAQ)党都では全く違うことに。リベラル党は、ケベック州の労働力不足を移民によって賄うことを考えていますが、CAQ党は全く逆で、公約にも掲げている通り、移民を20%減らす、と言っているんです。その代わり、政府系の仕事、いわゆる公務員の仕事を削減して予算を作り、時給を上げることで質の良い労働力を確保する、と言っているんです。私も詳しく公約を見ていないので、もしかしたらちょっと違うかもしれませんが・・。

Quebec SEP012018 01
(各政党の党首・代表者。Global Newsサイトより。)

写真はケベック州の各政党党首・代表者たち。左から、Québec Solidaire党の代表者・Manon Masséさん、現ケベック州政府首相でリベラル党党首のPhilippe Couillardさん、Parti Québécois党党首のJean-François Liséeさん、そしてCAQ党党首のFrançois Legaultさん。 


ただ大きな違いは移民制限するかしないか。CAQ党はケベック州への移民者のほとんどがケベック州に居つかずに数年でオンタリオ州等に移っているという事実を重視して、「ケベック州の経済発展にならない移民は減らすべき」と言う立場なんです。更に一番最初に話したファミリードクター等のお話も実は先にCAQ党が公約として掲げているし、時給を上げるという公約も、お隣オンタリオ州との賃金格差是正を行うことで、労働力流出を防ごうということみたいなんです。


つまり、CAQ党は過去4年間でリベラル党が出来なかった・手を付けなかったことのうち、特に州民の関心の高い部分を重点的に掲げているんですよねー。色々な点で与党有利の選挙戦を戦う上では、野党としては良い戦略だと思いますし、それが今のところ州民に支持されているみたいなんです。


選挙戦はまだあと2か月ほどありますので油断は禁物でしょうが、でも私はリベラル党には勝って欲しくないです。やっぱり色々と不満がありますので、投票権は持っていませんが、リベラル党が重視してこなかった点・出来なかった点を実行してくれる党にケベック州のかじ取りをお願いしたいです!







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