ケベック州議会選挙の選挙戦ももう中盤に差し掛かっており、どの陣営も動きが活発化しております。
あるメディアによると、Coalition Avenir Québec(CAQ=ケベック未来連合)の支持率が40%強、対して現与党のケベック・リベラル党は20%強と、実にダブルスコアがついているんです。でもこれもメディアにより支持率が変わったりしますから、一概に信じることはできませんが、それでもCAQへの支持率が一番高いっていうのは事実でしょう。

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(今のところ一番人気?!のCAQ。選挙関連サイトより。)

でもさっそくリベラル党やその他の政党の巻き返しが始まっています。
主要4政党の党首討論でも、各党は保健と教育に予算をもっと充てるという主張をしていますが、その他の政策は点でばらばらで、お互いたお互いを非難しています:


特にCAQの党首・François Legaultさんに対しては、以前ブログでもお話しした新しいフランス語ルール適用に関して各陣営から大批判。結局ケベック州への移民定住を損なう恐れがあり、またケベック州自体への移民数が減る恐れがある、と。それに対してFrançois Legaultさんは反論しますが、ただトーンは若干弱めに。どうやらこのルール、各所でかなり大きな非難を浴びたせいで一部後退せざるを得ないみたいですね。。例えば、高齢者には適用しないとか、今どんどん「抜け穴」を作っているんです、 François Legaultさん。


ただ私も以前この件でブログを書いた際はちょっと感情的になりましたが(なにより自分にも関係するところなので・・・。)、冷静に考えると、このルールが機能するケースもあるんですよね。例えば、ケベック州では無料のフランス語学校を移民者のために提供しているんです。が、それを悪用している人たちが沢山います。例えば、子沢山の女性などの場合、語学学校でのフランス語学習及び子育てなどで時間がないとして、ケベック州政府からかなりの額を補助金として受け取っているんです。で、その補助金で生活していきたいので、フランス語学校をあえて卒業しないように、昇給テストをわざと落ち続ける・・・。これ実際に沢山の人たちが行っている、いわゆる「不正受給」のケースなんです。


なので、この点だけ見れば、この新ルールも理解できるんですよね、残念ながら・・・・・。


また、巻き返しを図りたいケベック・リベラル党は、支持率アップのため、高齢者と学生はケベック州内の公共交通機関(地下鉄とバス)を無料で利用できるようにする、と言う政策を発表。まあ賛否両論は勿論出ていますが、私はこれもまた馬鹿げている政策だと思います。高齢者の無料利用はOKです、だって高齢者が今のケベック州の経済を支えてきたので、それくらいは当然だと思います。が、一方で学生は?そもそもまだまだ税負担する(労働している)わけでもなく、また将来にわたってケベック州にずっといるとも限らない世代。多分、リベラル党が20代前半の若い世代に支持されているということから、その世代を取り組もうとしての政策なんでしょうが・・・。

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(奥さんと一緒に若者世代にアピールするリベラル党党首。Global Newsサイトより。)

でもそもそも、投票で大きな勢力を持つのは、仕事についている人たち・世代。その世代の反感を買うようなこんな政策を発表するリベラル党も、やはり何も考えていないんだなーって思いました。


また、地域政党のParti Québécoisは、またもや立候補者のSNSでの不適切な内容アップで非難されているし・・・。


まあ簡単に言えば、ケベック州議会選挙(そして他の州や連邦議会選挙でも同じかも?)の場合、各政党は「出来るかできないかではなく、できないことでも有権者にとって耳障りの良いことを無責任に約束していく」運動をし、それに対して有権者は「どうせまともな政治家・政党はいないのだから、”よりまし”な政党を選ぶ他選択肢はない」ので、しぶしぶ1つの投票先を選ぶ、と言う図式に見えます。


ちなみに、下記リンクから、主要4政党の党首の過去の職歴が見れますよ!ジャーナリストだったり、大企業の創設者だったり・・・。


さて選挙戦も残りわずか、今後どうなるんですかねー??







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