モントリオールで弁護士業を営むBrent Tylerさん。彼はここ20年ほど、ある案件でケベック州政府とずっと争っていたんです。それがケベック州のフランス語保護法の一つである、「看板やサインなどにある文字について、フランス語以外の言語が入っても良いが、必ずフランス語は入っていないといけない。更に、フランス語の大きさは他の言語の大きさの最低2倍はないといけない」と言うものについて。

FRENCH OCT062018 02
(街中至る所にある看板に適用されるこの法律・・。Global Newsサイトより。)

これの違反として数多くの小売業のオーナーが罰金の支払いを命じられており、且つBrent Tylerさん自身、この法律に何の意味もないと感じているので、ケベック州政府と争ってきたんです。そしてその中でカナダ最高裁判所まで行ったケースについての答えが最高裁判所から出され、Brent Tylerさんの訴えを棄却する、つまり、この法律は妥当だという判断が出されたんです。


勿論Brent Tylerさんは失望・・・・。


まあ確かにちょっと馬鹿らしいかな?と言う気もしますけどね、この法律。でも移民国家であり、且つフランス語文化を誇りとしているケベック州ではありだとも思います。人間、例外を作ってしまうと、またいったん譲歩してしまうと、次から次への譲歩・例外を迫られますからね。この法律自体がフランス語文化の保護にはあまり役に立っていないかもしれませんが、ここで一歩引いてしまうと、極論かもしれませんが、フランス語自体がこの州から無くなる・ケベック州のアイデンティティが無くなるかも。


大げさかもしれませんが、これはケベック州だけでなく、日本でも世界にも当てはまること。自身の歴史・文化・伝統等を守るためには、外から見たら合理的でないというものでも、しっかり守っていかないといけないと思います。そもそも、そういったものは「合理的」と言う尺度で測るべきものではないから。


私はフランス語は話せないのでケベック州としては「歓迎しない移民者」かもしれませんが、それでもこの州のフランス語文化は尊重しています・・。いつかはフランス語話せるように勉強を再始動しなくちゃね・・・。







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