先週の話題と言えば、カナダでは合法大麻がトップでしたが、世界的には反サウジ政府の反骨ジャーナリスト・カショギ氏の失踪事件でしたね。あれほどサウジ政府・皇太子等が脅しを使いながら反論していましたが、結果殺害を認め、20人近くの逮捕者を出していますよね。これに対して、サウジ皇太子と良好な関係を続けていたアメリカも、トランプ大統領がサウジへの「制裁」を口にしており、またヨーロッパ等も反発しているので、サウジは苦しい立場に追い込まれたとも言えます。
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まあ元々、サウジなどの中東では「民主主義」なんて一切ありません。ただ、サウジの皇太子が「比較的理解があった」ために女性の車運転解禁等の政策を取りましたが、基本国会議員なども国民から選ばれるのではなく、あくまで国が指名した人たちに対する「信任投票」。しかも信任投票できる人たちも決まっているんです。これはサウジだけでなく、ドバイなどのUAE等も同じ。つまり、中東は見かけは「欧米のような自由がありそうだ」って見せながらも、実際は「共産主義国家にも負けないくらい自由のない国」なんです。それはドバイで2年ほど私も生活していたので肌で理解できるんです・・。
そんなサウジ、多分調子に乗ったんでしょうね、皇太子が。アメリカとも仲良くなって、「自分はやりたいことが何でもできる」って思ったんでしょう。まあ、アメリカの前大統領はリベラル色が強くて、あまり「強硬」な策に出ませんでしたから(これはサウジだけでなく、世界に対してもそうですが)、なめられていたっていう面もあると思います、アメリカ側からしたら。
更に、カナダとも軋轢を起こしていますよね、サウジは。当ブログでも書きましたが、サウジの人権問題に対してカナダのフリーランド外相が発言をし、それに起こったサウジがカナダに落とした投資額を引き上げ、またカナダに送り込んだ何千人ものサウジ留学生を帰国させています。まあ、それは実際カナダ国民からすれば「願ったり」の状況。コメントでも、サウジの留学生なんかいらない、帰れ!って、強い調子での批判も出ていましたからね。
そういう強気なサウジもこの事件で窮地に追い込まれるでしょうね。アメリカが制裁を課したら、ヨーロッパやカナダ等も追随するでしょうし。ただそうなると、中東諸国は中国やロシアと結びつきを強めていくっていうことも考えられます。要は、「一党独裁・一族支配で自分達で好き勝手出来る」国が結びつきを強める・・・・。それはそれで警戒が必要かも。。
この問題、カナダにとっては対サウジ戦略からは追い風となりそうですが、世界的な流れで見た場合はどうなるか、まだまだ予断を許さない状況かもしれませんね。ただ一つ言えるのは、多分これでまた「アラブ・イスラム」に対するネガティブなイメージが欧米で広がったということです・・・。
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