ちょっと前のブログで、カナダのISIS参加者のお話をしました。それと同様、今回もカナダ国籍を持ちながらISISに参加した人物のお話です。この男性、22歳のJack Lettsさん。イスラム教に改宗し、2014年にシリアに渡ってISISに参加。その後いろいろあったんでしょうが、現在はシリア政府により逮捕され、シリアの刑務所に入れられています。


このJackさん、カナダ国籍だけでなく、イギリス国籍も持つ二重国籍者。イギリスの新聞では、“Jihadi Jack” とあだ名されているんです。


さてそんなJackさん、逮捕後帰国の意思を示したんですが、イギリス政府は公式にはっきりとJackさんのイギリスへの帰国の手助けを拒否しています。それは当然でしょう、だって国を捨てて、テロ組織に加入したんですから。イギリスに帰国後に、また何か不穏な動きをしないか、治安を乱さないか、保障しかねるでしょうしね。はっきり言って、以前のブログと同様、「自業自得」なんですから、こんな時だけ「捨てた国」を頼るのはおこがましいと思います。


でもJackさんのご両親からしたら話は別なんでしょう、自分の子どもですから。そこで今度はカナダ政府にお願いをしたところ、カナダ政府はこの刑務所等、関係各所に連絡を取って手助けの動きを示したそうなんです。それに対して国会で野党・保守党党首のAndrew Scheerさんは、「テロ組織で活動していた人物を、この政権はカナダに帰還させようとしている。なぜなのか、明確な理由を示してほしい。」とトルドー首相に詰め寄ります。それに対してトルドー首相は色々と返答しますが、結局は「保守党はカナダ国民の不安を煽っているだけ」と言っています。

ISIS OCT202018 01
(Jackさんのカナダへの帰国を願うご両親。Global Newsサイトより。)

国を預かるもの、またカナダ国民に選ばれたという観点から、まず第一に考えるべきは「カナダ」と言う国であり、自分の名声などは二の次。どういう行動が一番カナダにとって利益になるのか、カナダにとって大事なのかを考えて行動すべき。トルドー首相や現カナダ政権のようにカナダを捨てた人たちを迎え入れる意思を示すと、「カナダからISISに行ってみよう!だって捕まっても、トルドーは自分たちを助け出してくれる」って、誤ったメッセージを送ることになるし、そういう「自己中心的で身勝手で、浅はかな考え」をする人を増やすだけ。また、テロ組織からも「カナダってちょろい」ってバカにされて狙われるかも。


何度も言うように、こういったケースはあくまでも「自己責任」「自分の意志」で国を捨ててISIS等に加入したのであれば、その後の結果も「受け入れるべき」。その時点で泣きを入れるなんて、はっきりってその虫が良すぎる考えにカナダ国民は怒りすら覚えていると思います、だってカナダ国民でない私ですらそうですもん。


またこの件に関しては、既にオンタリオ州政府首相で保守党党首のDoug Fordさんがツイートでコメントし、「近いうちにオンタリオ州に戻ってきたISIS参加者などに対して、オンタリオ州の運転免許証の取り消し、健康保険等の利用不可、学生ローンの利用不可、住宅ローンの利用不可、障害者サポートの利用不可、などの全ての社会保険・社会保障等を利用不可にする動議を議会に提出する」としています。これは当然だと思います。またDougさんはコメントの中で「自分の意志でカナダを離れISIS等に加入した人たちの帰国は歓迎しない。トルドー首相はそのあたりの事の重要性を認識していないようだが、オンタリオ州は違う。オンタリオ州は、こういった行動に関して厳しくはっきりしたメッセージを発信する」として、上記動議を紹介しました。

ISIS OCT202018 02
(連邦政府とは全く異なる対応を示すオンタリオ州首相・Dougさん。Global Newsサイトより。)

オンタリオ州は何回も言うように、今年の州議会選挙において、前政権政党だったリベラル党を大差で破って政権を獲得。つまり、リベラル党の政策・考えが全く受け入れられていなかったことを示します。それは「連邦政府」に対しても同じ。現連邦政府与党のリベラル党に対してNOを突き付けているのに、まだリベラル色の濃いい、カナダ国民を軽視した政策を取るトルドー政権。


今後もこういった地方と連邦の対立が激化していきそうですね・・。








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