最近日本のニュースでよく目にするこの2つのトピックについて、海外で生活する私なりの視点から私見を述べてみたいと思います。あくまでも私個人の意見であり、元々賛否両論あるトピックですので、皆さまとは違う意見かもしれませんが・・・。


まずは「新在留資格」について。


これ、ただ単に「日本人では賄いきれない仕事を外国人を雇って埋め合わせしよう」とするのであれば、大失敗すると思います。まず海外でもそうですが、その国で合法的に働くことができる労働ビザを申請できるのは、雇用主。つまり、会社。そして、その会社は「沢山リクルート活動をしましたが、どうしてもスタッフを見つけることができなかったので、外国人を雇いたい」と言う理由と証明を提示しなければいけないんです。そうしてその後審査が入って、で労働ビザが下りる。


日本の場合もまずこのステップを入れるべきだと思います。でないと、「安価な労働力」としての外国人雇用が増え、結果日本人の失業率が高くなると思うんです。外国人雇用の前に、日本人の雇用を促進する。例えば、ニートなどの引きこもりが増える半面、コンビニ等のスタッフの外国人率が上がっているという状況。こういったミスマッチをまずは政治の力で解決するのが先では?

immigration OCT282018 01
(入管も忙しくなるかも。写真はイメージです。Global Newsサイトより。)

更にこの新在留資格では、家族を呼び寄せることができるとあります。これには大反対です。この政策で、カナダの社会保険料は高くなっているんですから。これは簡単に想像できます。国元から両親や親せき等を呼び寄せるんです。そうして、カナダ(日本)の経済に全く貢献してこなかった人たちに対して、国(カナダや日本)はその人たちの医療費をカバーすることになり、結果社会保障の負担が増える。


これ現実にカナダで起こっていることなんです。


まずはしっかりと「受け入れる側=日本」の環境整備をするのが大事でしょう。上記のようにどうしても労働力を確保できないという証明ができるまで、政治は努力をすべき。その結果の外国からの労働力確保は私はOKだと思います。が、審査はしっかりして欲しいし、またやはり家族を呼び寄せるのは禁止して欲しいです。呼び寄せるのであれば、きちんと「日本の国民保険には入れません、カバーされません。」と言う一言を添えて欲しいです。カナダでも「スーパービザ」と言う、国元の両親などを対象にした特別ビザがあり、10年間自由にカナダに出入りできるんです。が、これにはきちんと「カナダ国内で病院等にかかる際には、カナダの保険ではカバーされませんので、あらかじめ自国にて保険に加入しておいてください」と明記されています。


私は外国人受け入れに対する治安悪化等はあまり心配していませんが、感情面、また今後仕事が減少していく中での仕事の奪い合いなど、将来的なことに関する不安は、今の新在留資格制度にはあります。そこの部分をしっかりと議論して進めて欲しいものです。まずは移民先進国のここカナダやアメリカ、ヨーロッパを視察して問題点をしっかり洗い出すべき。そうした上で議論しないと、結局「机上の論理」で問題ばかりになります。



次に「自己責任論」について。


これについては日本の著名人が反論していますよね。確かにそうだと思いますが、はっきり言って反論している人達はいわゆる「お金持ち」。つまり、「日々の生活に汲々としているわけでもなく、安定した生活であり、なので他人事に首を突っ込む余裕のある人たち」なんです。なので、「ちょっと高いところから」、「上から目線」で意見を言っているだけ。


だって普通に考えると、この安田さんを解放させるためにお金を支払ったわけでしょう?それも絶対に日本政府が。じゃあそのお金はどこから出たの?勿論皆様の税金から。つまり、税金の使い道として、ある特定の人だけに使われるのは良いのか?ってことじゃないんですか?


しかも、政府から海外渡航を止めるように注意されていたにも関わらず、それを無視していった人を助けるために、税金からお金を投入する。それって果たして本当に「理がある」と思っているんですかね、反論している人たちは。私は個人的には少なくとも安田さんは日本国民に向けて謝罪すべき(皆さんの大切な税金を使わせたこと)だし、このお金は安田さんが責任を持って国庫に帰すべきもの
(もしかしたら、このブログが出るころには謝罪とか記者会見党されているかもしれませんが・・。)

また、安田さんのせいで、今後日本人を狙ったテロ・誘拐事件が起こる可能性もあり、ますます渡航できる国が狭まる可能性もあります。


勿論国としては、いくら渡航禁止を破ったからと言って見捨てることはできません。なので日本政府の対応は私はOKだと思いますが、問題は個人。何度も何度も政府の言うことを無視して、誘拐されては税金で開放される人。それについての罪悪感はあるんでしょうかね?「言論の自由・ジャーナリスト魂」とかいう、耳障りの良いことさえ言っておけば許されると思っているんでしょか?


ちょっと前にブログでも書いたように、海外では例えばイギリスを捨ててISISに走った人物の帰国をイギリス政府が拒否したりしています。つまり、政府の勧告に従わなかった場合には自己責任において帰国してくれってことなんですよね。


また、日本でもそうですが、登山等で遭難した場合、その捜索でかかった費用は救助後に請求されるそうですね。それと同じことを安田さんにもすべきではないですか??

ISIS OCT282018 01
(こんな危ないところに行くのには、それなりに覚悟をしてから行くべき。Global Newsサイトより。)

確かに安田さんならではと言う取材もあるでしょう、でもそのためだけに、もっと言えば、安田さんだけ「優遇」される理由っていうのがよくわかりません。果たして日本と言う国の益につながったのか、と。「これは日本と言う一国だけでなく、世界的なこと」と言うのであれば、日本政府に助けを求めるのはお門違いでしたよね。都合の悪いことは日本に助けてもらい、自分の手柄は「世界的な」ものとして世界に向けて発信する。。。


果たしてそんな人を普通の日本人は「あの人って私と同じ日本人なんだよ!誇らしい!」として海外で紹介できるでしょうかね?私はできません。


この問題は本当に賛否両論あると思いますが、でもやっぱり安田さん自身が自分の行為をどう思っているのか、しっかり国民に向けて述べるべき、最低でも。安田さん自身の功績を否定するわけではありませんが、もし今回の救出を当たり前と思っているのであれば、やはり釈然としないし、国民との意識に大きな隔たりがあると思うんです。


繰り返しになりますが、この問題には賛否両論あると思います。私の私見としては、やはりどうしても安田さんが無条件に擁護されている、ある特定層の風潮に納得ができないんです・・・。







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