カナダの首都と言えば、オタワ。私が住んでいるケベック州のモントリオールからは車で1.5 - 2時間ほどと、比較的近くにあるんです。また、首都と言うことでオタワでは基本バイリンガル(英語とフランス語)が広く使われていて、街中でもバイリンガルが一杯。でもだからと言って、全ての人がフランス語を喋れる・英語を喋れるわけではなく、英語のみ・フランス語のみの人も沢山います。


特にオタワに隣接している・ケベック州ガティノーと言う都市は、オタワと合わせて「首都圏」と呼ばれる地域に属していて、カナダ連邦政府の建物や機関が集中しています。このガティノーはケベック州に所属していますから、勿論公用語はフランス語。そこを訪れたオタワ在住のAnthony Govasさんがひどい目に会ったみたいなんです、それも公共交通機関であるばすにおいて。。。


11月の下旬、Anthonyさんはガティノーのあるバスターミナルで休憩中のバス運転手に何か尋ねようとしていました。がAnthonyさんはフランス語を話せません。そのことを前置きしてこのドライバーに話しかけたんですが、ドライバーの方は逆に英語を話せなかったようでイライラしたんでしょうか、およそあり得ない行動に出ます。なんとAnthonyさんに殴りかかり、計4発もAnthonyさんにパンチを見舞ったそうなんです!

Francophon DEC012018 01
(右目に青あざが残るAnthonyさん。。。CBCニュースサイトより。)


あり得ない・・・。これでまたケベック人の評判が落ちる・・・。


勿論Anthonyさんはすぐに警察に通報。この運転手は早速逮捕され、現在捜査中だそうです。


確かに、ケベック州内ではフランス語を話せない人たちに対して不遜な態度を見せる人たちもいます。私も数回嫌な目に会いましたしね。でも勿論そんな人ばかりではありません!

Francophon DEC012018 02
(Anthonyさんが殴られたバスターミナル。CBCニュースサイトより。)

ただ今回の件、どうも原因は「言語」だけでないようなんです・・。と言うのは、Anthonyさん、警察に通報した際、このドライバーが「Impaired」、つまり飲酒かドラッグ等の、いわゆる「車の運転ができる正常な状態ではない」ことを警察に話していたんです。


そうなると事情が変わってきますし、ニュースの本質も変わってきます・・・。ニュース記事では「フランス語が話せないためにAnthonyさんは殴られた」とありますが、もしこのドライバーが酔っ払っていた場合は、「飲酒していてその影響でAnthonyさんは殴られた」ことになり、「言語」はあくまでも2次的要素になりますよね。つまり、「言語」が主要因ではなく、「冷静な判断ができない状態だった」ことが主要因に。


まあ、まだ捜査段階なので本当の原因が何なのかはわかりませんが、もし本当に「正常な判断ができない状態」だったのであれば、それはそれで許せないことですが、変に「英語話者 vs フランス語話者」と言う対立をあおるような記事の書き方は問題だと思います。


結構カナダ国内ではこの対立根が深いですからね・・・。







(当ブログ記事内で使用している写真・画像等は、特に出典の明記がない限り、著作権フリーの画像及び私が撮影したものを使用しております。)