まずはこちらの写真を:


Emma DEC012018 01
(Emmaさんのツイッター上の写真。Global Newsサイトより。)

皆さま、彼女はどういう子に見えます?
多くの人は彼女を「アフリカ系(黒人)」もしくは「幾つかの人種のハーフ」と思ったかもしれません。実は彼女、Emma Hallbergさんと言う19歳のスウェーデン人のモデルさんですが、白人なんです。


で、いま彼女のツイッター、炎上しているんです。つまり、「黒人っぽく見せている」写真等が人種差別に当たる、黒人をバカにしているって言うことで。でも彼女曰く、彼女の肌の色は「日焼け(サロンではなく自然なもの)」で焼いたのであってメークではない、と。


うーん、この問題なんか論点がおかしいというか、やっぱりどうしても「言葉狩り」と言うか「少数派の意見を大声で無理やり押し通そうとする」感じがするんですよねー。例えば彼女がある特定のアフリカ系・黒人の真似をして、しかも明らかに尊敬の念のない、馬鹿にしている写真を撮ったとすれば、それは非難されるべきだし、人種差別だと言っても良いと思います。でも彼女は「ファッション」として肌を焼き、メークアップしたりしているんですよね?


ここカナダでも沢山の白人が日焼けでチョコレート色の肌をしていて、それをインスタグラムなどでアップしていますよ?また逆に、日本人などアジア系では「色が白い」と言うことにまだまだ価値観を見出す人たちが沢山いて、メークアップで色を白く見せたりしていますよ?


勿論、アフリカ系・黒人が肌の色による人種差別があった、もしくは今のあるのは十分理解できますし、私のようにアフリカ系・黒人ではない人達にはわからない苦労や問題があるのかもしれません。でもこれはやっぱりちょっと「過剰反応」しすぎでは?私は彼女の写真を見て、だれか特定のアフリカ系・黒人を傷付ける、もしくはアフリカ系・黒人全般を傷付ける意図があるようには全く思えません。


確かに、彼女の写真に違和感・不快感を持つ人がいるかもしれません、少数派でしょうが。でもその人たちは彼女のインスタを見なければよいのでは?だってこの写真については、「良い・悪い」と言う善悪では判断できるものがありませんから。それを無理やり[善悪判断]させるところが、上記のような「言葉狩り・弱者ビジネス」のような気がするんですよね、私は。


「全員、100%納得できるものでないといけない」と言うのは、私が当ブログでここ最近お話ししている「リベラル原理主義」の思想だと思うんです。でも「100%全員」が納得するものなんて極めてまれで、そうすると何事も進展しないので、現実主義な対応として「多数決」と言う「民主主義」的な判断が通常行われていると思うんです。この方法で世界、特に民主主義国家は成長を続け、国内外で色々な問題に対応してきました。


が、過去10数年のヨーロッパやアメリカの「リベラル原理主義」に近い政策の導入により、こういった「少数派の意見を力づくで押し通す」勢力が大きくなってきているのも事実。一因には、多数決主義で少数派を汲み取る作業を怠っていたということもあるかと思いますが、私はそれよりも、リベラル原理主義の「理想」が「正義・善」として過去10数年間世界的な広がりを見せたのが問題だと思うんです。


話は逸れましたが、こういったリベラル原理主義が「寛容性・多様性」を奪い、社会が硬直化している現在、もっともっと柔軟な思考を皆が身に着けるというか、お互いに尊重できる、わがままばかり言わない協調性のある社会を目指すにはどうしたらいいんでしょうかね・・・。難しい問題です、これも。。







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