さて2019年が始まりましたが、日本ではまだ「松の内」かな?
こちらでも勿論新年は祝日ですが、やっぱりクリスマスの方が大きなイベントなので、街中が盛り上がっているという感じではありません。それでも心なしかやっぱり「晴れ晴れとした」気分と言うか雰囲気ではあります。


ここケベック州ではこの2019年1月より、一部改正された労働法が適用されます。大きな改正はセクハラを含めたオフィス内ハラスメント等の改正と、有給休暇が増えたこと。

WORK JAN032019 01
(より労働者にとってプラスになるものです。CBCニュースサイトより。)

まずセクハラ等についてですが、各オフィス基本的にはセクハラ等に関する社内ポリシーを設けていますが、最新の情報に更新されていないことが多いんです。このハラスメントに関するポリシーの適用は2004年からで、それ以来多分更新されていないんでしょうね…。今回の改正で、今まではハラスメント等をケベック州の労働局等に訴えることができたのはハラスメント発生後90日以内でしたが、それが2年以内と大幅に拡大されました。また、ハラスメントの訴えがあった場合、社内でどのようなプロセスで問題解決するかなどの方針も明示しないといけませんし、精神的なハラスメント等新しい形のハラスメントに対する対応も含んでいます。


また有給で言えば、今までは同じ会社に5年以上勤めて始めて年間3週間の有給休暇を受け取れていましたが(5年以下の場合は通常年間2週間(実質10日間)です)、今回の改正によりその期間を縮めて、3年以上勤めると年3週間(実質15日間)の有給をもらえるそうです。


でもこの有給って、実は最低賃金と一緒で、「最低ライン以上であれば良い」と言うことになります。なので、スタッフ側としては契約条件の一つとして交渉することが多いんです。私の場合も、今の会社とは交渉はしていませんが、それでも仕事のオファーを頂いた際に条件として年3週間の有給を提示されました。


でもこの改正により、有給を楽しむことができる人たちが増えるのは良いことなのではないでしょうか。


そして他にも、「シフト勤務等の急な変更に対しては拒否できる」と言うのも今回の改正で加わっています。もう少し詳しくお話しすると、シフト勤務等の変更は少なくとも該当日より5日以前に従業員に通知しなければならず、それ以後の場合、従業員はそのシフト変更を拒否できる、と言うもの。他にも2時間を超える急な残業依頼も拒否できるようです。


こうしてみると、労働者にプラス面が多い改正になっていますね。でも日本の労基法に比べると健全かな?と言う気はします。日本の場合はやっぱりどうしても過度に労働者を保護しているので、雇う側としては躊躇するケースが多いと思うんです。逆にカナダ(ここではケベック州)の場合は、今回の件で若干労働者にプラスもありますが、雇用・解雇条件についてはそのままなので、その点は雇う側としてもあまり深く考えないで済みますからね。


要はカナダの場合は労働力の流通性が大きく、日本はかなり小さいっていう形ですね。どちらが良い悪いというのではありませんが、雇用する機会を狭めてしまう日本の現在の労基法はやっぱりちょっと健全ではないのでは?っていう風に感じます。まあこちらでも、だからと言って、解雇を繰り返したりすると、労働局からの査察が入り、「ダメな会社・危ない会社」と言うラベルが貼られますから、新規雇用には慎重になる部分もありますが・・・。


日本ももう少し労働条件・雇用条件等が緩くなれば良いのでは?







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