Islamophobiaとは、「イスラム教(徒)に対する差別」という意味。ケベック州では2年前に州都ケベックシティーで起きたモスク襲撃事件があったり、増え続けるイスラム教徒系の移民に対しての差別が多いそうです。私はここで生活してきて、イスラム教徒向けの差別?らしきものはあまり見たことがありませんが、でも存在はするんだと思います。


それに関して、現ケベック州の首相であり与党CAQ党の党首であるFrançois Legaultさんは、「ケベック州にはIslamophobiaは存在しない。なので、特別な”Islamophobia”の日の制定などはケベック州として考えていない」と発言しております。この"Islamophobia"の日としてイスラム教徒が制定を促しているのが上記ケベックシティーのモスク襲撃事件のあった1/29。

Legault FEB022019 01
(ケベック州の首相であり与党CAQ党の党首であるFrançois Legaultさん。Global Newsサイトより。)

これは確かに難しい・繊細な問題だと思いますが、Legaultさんや与党・政権とすれば、もしこういう日の制定をしてしまうと、ケベック州自体がまるで「イスラム教徒が差別を受ける州」という認識になるため、それを嫌っているのでは?という気もします。


また、現政権は去年の選挙時の公約通り、警察官や裁判所判事、検察官に教師など公的な職に就く者に対しての職務中の「宗教的装飾・服飾等」を身に着けることを禁止する法案に関して、これを進める準備をしています。多分、この点もちょっとは影響があるのかも。

Legault FEB022019 02
(ヒジャブを身に着けている警察官。CTVニュースサイトより。)

ただ私が一番違和感を感じたのは、「差別を受けているのはイスラム教徒だけではありませんよ」という点。確かにモスク襲撃事件は悲劇であり絶対に許されない事件です。ただそれを政治的に利用するのではなく、本当に犠牲者の鎮魂のための日の設定にするべきだと思うんです。そして改めて別の日にちを、イスラム教だけでなく「差別」に対する戦いの日、とかにする。既にあるかもしれませんが。


というのは、正直アジア系とかアフリカ系の方がめちゃめちゃ差別に遭っています、カナダでは。私も少ないながら、モントリオールにいて何回か経験していますし。勿論、アジア系であれアフリカ系であれ、イスラム系であれ、大多数のケベック人・カナダ人は大変優しいし寛大ですが、それ以外の人たちもいるということ。そういう人たちに対してのアクションで言えば、イスラム系だけでなく、全ての差別に対する反対運動をする方がよっぽどよいと思うんです。

Legault FEB022019 03
(エドモントンではこんな差別的な文章も。Global Newsサイトより。)

それは、悲しいことですが、去年のケベック州の総選挙でイスラム系の厳しい公約をしたCAQが圧勝したことでもわかるように、潜在的にイスラム教におびえを抱いている人たちがいると思うんです。それに対してイスラム系が反動的にIslamophobiaだとして対抗すると、対立が先鋭化しそう。なので、「差別全体」というオブラートが必要だとも思うんです。


さてこれはどうなることでしょうかね・・・。







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