昨日に続いてカナダにおける中国のお話しとなります・・・。

この件に関して中国当局はいまだはっきりとしたコメントは出しておりませんが、ファーウェイ事件でのMengさんのアメリカへの引き渡し審理が始まったことに対する報復と言う見方が強いです。すでに中国当局は審理が始まった際にもカナダを非難するコメントを出しておりますし、またMengさん自身(ファーウェイ自身)がカナダ政府を相手取って訴訟を起こしておりますし、中国側が強気に出ている、カナダを追い詰めようとしている、と見られています。

China MAR052019 02
(中国の強気の姿勢にカナダは耐えきれるのか、ちょっと不安。Global Newsサイトより。)

更に、中国本土ではいまだに2名のカナダ人が拘束されており、うち1名については「国家機密情報を持ち出そうとした」容疑で裁判にかけられるかも、と・・。

カナダにとってカノーラ油などの植物油は中国向け輸出の主力製品だそうです。2017年には中国向け輸出のうち約17%をこう言った植物油が占めていた、と。つまり中国側は、カナダにとって一番の主力製品を狙い撃ちにして”譲歩”を引き出そうとしているんでしょう。

China MAR052019 01
(確かにカナダには痛手ですが、長い目で見ると信用を失う中国の方が痛いかも。Global Newsサイトより。)

ただし、です。はっきり言っていま中国は”敵”が多すぎると思うんですよね。同じように関係が悪化しているオーストラリア。元々親中政権だったんですが、国内での中国に対する危機感の盛り上がりから脱中国路線となり、つい最近は中国人ビジネスマンへのビザ(永住権ビザ)取り消しなど、強い態度で臨んでいるオーストラリア。ここも貿易等を含めた対立が激しくなりそう。さらにアメリカとの貿易戦争と、中国は本当に”戦略”があるのかな?と疑うほど四方八方に敵を作っている気が・・・。


なので、一番近くの日本にすり寄っているんでしょうが、そのあたりの背景をしっかり読んで安倍首相は対応していってほしいものですね。でも多分安倍首相はそのあたりをわかっているでしょうから、うまくコントロールしていきそう。


上記のようにアメリカやオーストラリアは中国との対立も辞さない雰囲気で強気に出ているみたいですし、親中だったドイツも路線変更しつつある中、やっぱり気になるのはここカナダ。例のSNC-Lavallinスキャンダルで人気急落中のトルドー政権が果たして他の国々同様中国に対して強気に出られるか、そこに注目ですね。中国に対して強気に出れれば、国内問題の目を反らす効果もあるかもしれません。まあそれでも政権が危機的状況を脱するまではいかないと思いますが。


逆に中国に屈して、Mengさんを釈放したりすれば、国内は勿論、アメリカやオーストラリアと言った「仲間」達からも批判されそう。


本当、トルドー政権は正念場ですね。







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