今回もカナダのSNC-Lavalin社のスキャンダルのお話になります。
OECD(経済開発機構)により汚職・腐敗防止のための監視対象ともなっているこの事件、注目度は薄れているかもしれませんが、まだまだニュースのトップに持ってこられるほどの事件。
この事件に関して、ケベック州政府首相のFrançois Legaultさんは、SNC-Lavalin社救済のために同社の株を州政府が購入して下支えする可能性を否定しませんでした。
今回のスキャンダルにより同社の信頼は失墜。更に汚職事件として裁判にかけられ、汚職と認められれば、少なくとも今後10年間はカナダ政府が発注する公共事業への入札参加が禁止されることになり、同社の存続の危機となります。
現時点で既にケベック州の年金機構が資産運用のために同社の発行済み株式のおよそ20%ほどを取得しており、こちらもダメージを受ける可能性が大きいです。更にモントリオールを中心に同社はかなりの数の雇用を生み出している点を考慮しての州政府首相の発言だったと思うんですが・・・。
確かに現時点での発言は、積極的にSNC-Lavalin社を救済するというより、「必要であれば、救済措置を州政府が取ることもあり得る」と言う、可能性の話なんですが、でもそれにしてもちょっと現時点では適切ではなかったかもしれませんね、カナダ市民及びケベック州民の気持ちとしては。
ただこの問題、結局SNC-Lavalin社と政界のつながりを非難しているのって、連邦議会与党のリベラル党の3-4人、ここには勿論前退役軍人相で議会で圧力を証言したWilson-Raybouldさんも入っています。でもその他の与党議員さんは沈黙?と言うか、この件についてははっきり話をしていない気が・・。
まあこれも今後の連邦政府の対応次第ですが、仮にケベック州政府が独自に救済するとしても限度があると思いますし、経営陣には責任を取ってもらわないといけないですから、例えば新会社設立するとか、事業規模を縮小して州政府管理の会社にするとか、もし本当に救済する場合はもっとカナダ市民・ケベック州民が納得する形にしてほしいですねー。。
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