本日も私の意見と言うか体験談と言うか、そういうお話です。就職面において日本とここカナダ・モントリオールの一番の違いは「労働力の流動性の高さ・低さ」ではないかな?と個人的には思っています。これは多分、日本と比べればここカナダだけでなく、アメリカやヨーロッパ諸国も同じかもしれません。

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(転職って会社も人も幸せになるものにしないといけないと思います。Global Newsサイトより。)

どういうことかと言うと、「転職」が年齢に関係なく幅広く行われている、と言うことなんです。

ちなみに私のケースですが、私は39歳の時点でそれまで5年近く働いていたモントリオールの会社を辞めて別の会社に転職。そこでは1年ちょっと務めて、事業縮小のあおりを食らって解雇。で、その後出戻りで元居た会社に行ったんですが給料の低さに耐え切れずに43歳でまた別の会社(今務めている会社)に転職。ここはやりがいもある仕事なので長くいようと考えています。この会社では、同僚には結構私より上の世代も多く、しかも入社時期も1年前後の違いがあるだけで、ほとんどが転職によりこの会社に来ている人たちなんです。

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(転職によって給料が上がるのも事実。Global Newsサイトより。)

日本でも勿論転職市場と言うのは大きいでしょうが、ある程度の「年齢制限・バイアス」がかかっている気がします。逆にここカナダやモントリオールでは「年齢による制限」は違法なので本当に幅広い年代の人たちが入社してきます。


この日本とカナダの違い、一つは「労働者保護」の程度があると思うんです。私も日本で働いていたのでわかりますが、いったん正社員となると、その人を解雇するのは大変難しいんですよね、日本の場合。何度も話し合いや警告等をもってして、最終的に「色々試したけど効果がなかったため解雇に及んだ」という「証拠」が必要。なので面倒くさくて、しかも景気低迷も相まって、正社員を持つことを躊躇する会社が増えた気がします。一方社員側は1か月の退職予告をすれば仕事を離れられる・・・。どうしてもやっぱり「労働者側が有利」な印象を持ちますよね。そういった中では企業も正社員を雇用するのには二の足を踏むでしょうし、今の会社に不満があってもリスクを恐れて泣き寝入りしている人が多いというのもよくわかります。


一方ここカナダでは、会社側も社員側も、基本的には「2週間前通知」さえすれば解雇や退職が可能なんです。しかも解雇に至った理由をくどくど説明する必要もありません。勿論こちらにも「労基署」があり、理不尽な理由での解雇(例えば人種的・宗教的な理由など)の場合は無効化させられるし、企業側に罰則が与えられます。が一般的に解雇・退職がしやすいのは「労働力の流動性」という点において、「転職」希望者にとっては都合が良い、と思います。


中には本当にびっくりするケースもありますよ。例えば、転職時に結構こっちの人たちは履歴書を「盛る」んですよね。で、それで雇われても実際の業務遂行能力がないに等しいので、すぐに解雇・・・。このケースよく見ますよ、どんな会社でも。また、学歴重視なのはこちらも一緒ですが、でも「高学歴 = 仕事ができる」とはならないですし、それは会社もわかっているので、高学歴であって仕事ができない人達はバンバン解雇しますしね。と言うより、「それだけの学歴を持って、何を学んでいたの?」っていう風に、高学歴で仕事ができないのはより厳しい目で見らるようです。


まあ、私も転職自体はそんなにスムーズに進むことはなく、長くて1年以上色々と応募→面接を繰り返して仕事を得ました。でもそれでも、「年齢を理由」に書類で落とされたり面接で落とされた感じはあまりしなかったので、その点では日本よりも良いのかな?とも。


これから日本も沢山の労働者が日本国外から入ってくると思います。それはそれで必要ですし重要なことだと思いますが、それよりもまずは「国内」の「人的資源」を有効に且つサイクル的に利用できる社会システムを作るのも重要なのではないでしょうか。







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