トルドー首相は先日、トロントにて、カナダがITなどの分野で最先端を走っているのは移民政策のおかげで沢山の良い人材がカナダに入ってきたからであり、今度もカナダは移民に寛容でいて欲しい、と発言しました。


確かにその通り、カナダのIT分野での躍進は移民や安い学費により沢山の有能で若い人材が集まった結果だと思います。

Trudeau MAY262019 01
(選挙を前に”良いとこ取り”しようとしているのかな?Global Newsサイトより。)

が・・・・・。


それと、トルドー首相の「不法入国者歓迎」発言による不法入国者の受け入れは全く別のこと。あたかも「不法入国者も認めるべき」的な雰囲気を作ろうとしているかのよう。まあそういう意図はトルドーさんにはなかったと思いますが、あまりにも自分の発言がカナダ社会において混乱を招いているという意識が少ないのが問題。


ある調査によると、カナダ人は過去5年間で、イスラム教徒に対する区別・差別は仕方がないという容認が26%にまでのぼっているという発表がありました。つまり4人に1人以上が、イスラム教徒に対して「差別は仕方がない。あってもしょうがない。」と思っているんだそうです。まあ詳しい分母や何人に聞いたのか、そのきいた人たちの宗教は何なのかははっきりしていないので、全部信じるわけにはいかないと思います。

POLL MAY262019 01
(調査会社による発表。ちょっと衝撃的かも。Global Newsサイトより。)

でもそれでも、昨今イスラム教徒に対する悪感情が増えてきているのは、世界的なイスラム過激派によるテロ行為だけでなく、私は確実にトルドー首相の「アメリカからの不法入国者歓迎」発言のせいだと思います。これにより沢山の不法入国者がカナダに入ってきて、結果カナダ連邦政府や州政府の財政を圧迫。にもかかわらず、現政権は国境を厳しくするどころか今でもざる状態で沢山の不法入国者がカナダに入ってきています。


沢山のカナダ人が言うように、正規の手続きで、正規の審査を受けて入ってきた移民であれば、カナダ国民は歓迎するんです。そういう人たちが上記IT分野やほかの分野でのカナダ経済の発展に寄与しているんです。


そういう「プラスの面」だけ強調して、自身の発言や行動が招いた「マイナスの面」は一切語らない。且つ、あたかもカナダ人全体が「移民に反対している」ような印象を与えかねない発言。


確かにトルドーさんはイスラム教徒を中心に、移民者には人気があります。なので総選挙時がちょっと怖いのですが、でももしまたリベラル党が勝利したら、多分カナダは分断が起こると思いますよ。アメリカでは逆の意味で分断が起こっているように。あまりにも理想を追求し、そのためには自国民を顧みなくて、自分自身の行動を自画自賛する・・・。ちょっと怖いかも・・・。


本当、今年の総選挙は大事な大事な転換期になるかもしれません、カナダの。








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