まず一つ目が、現ケベック州議会与党のCAQ党が去年のケベック州議会選挙時に公約として掲げていた、「ケベック州の移民プログラムの見直し及びチェック体制の強化」(Bill 9)に繋がるもの。
今回CAQ党およびケベック州政府はケベック州への移民希望者に対して、ケベック州の移民担当大臣の権限を拡大し、移民担当大臣が誰に移民を許し、誰の申請を拒否するか、と言う権限まで与えています。つまり、担当大臣の権限が大幅に強化されたってことですね。
またこれに関連して、現在移民申請ている人のうち、約18,000名の申請を取り消しすることも決定。中には数年待っている人もいるみたいですが、書類上の不備等があって申請が進んでいない人たちの申請をいったん全部キャンセルするってことみたいです。まあ、賛否両論あるみたいですが、でも書類に不備があるのであればしょうがないかも。ただ、再申請したからと言って移民できるかどうかは不透明ですね、上記のように移民担当大臣の権限が強化されたので、色々と厳しいチェックが入りそう。
またもう一つは前から当ブログでもお伝えしている、「宗教的シンボルの公職での着用禁止」(Bill 21)案。これも法案が通って、いずれ施行されそうです。まあこれもたくさんの賛否両論あるんですが、政治と宗教の分離、および公職者の「中立性」の確保と言う点では、賛同者も結構いるみたいです、コメントやネットを見ると。
(ケベック州政府の首相と移民担当大臣。Global Newsサイトより。)
上記2つはどちらもCAQ党が去年の選挙の時に公約に掲げ、それを実行したまで。つまり、ケベック州の人たちの多数はこの両案を支持していて、その公約通りにCAQ党が法制化したってこと。左派の人たちはCAQ党を非難していますが、逆にCAQ党は選挙公約を守ったとして、CAQ党支持者は引き続きCAQ党を支えているみたいで、支持率も高いみたい。
まあこれからどうなるか、っていうのもありますが、世界的な流れとして、行き過ぎた「リベラル」風政策からのぶり返しが支持されている気もします。そのあたりは対立もあり得るでしょうが、でも全体として「声なき大多数の市民」は、「揺り戻し」を期待している気がします。これはケベック州だけでなく、世界的にそういう兆候なのではないでしょうか??
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