つい先日、イギリスにおいて”移民”がトラックに隠れていて全員死亡するという痛ましい事件がありましたよね。また、ギリシャでも”移民”が見つかった、と言う記事が。
この手の記事を見るたびに私感じるんですが、きちんと言葉の意味が定義されていないと思うんです。日本語でのニュース記事で「移民」と使う場合、それは「不法に入国し、不法に滞在しようとする不法移民」っていう意味だと思います。上記2件の記事がよい例です。
でも私もカナダへの「移民」なんです。「移民」と言う言葉でひとくくりにされるのはちょっとやっぱり気分がよくないです。きちんと「不法移民」とか、「不法入国を企てた人たち」っていう風に表現してほしいです。なんかいつもこの点が引っかかるんですよね、日本のメディアの表現で。
ここカナダでも移民(Immigrants)と言う言葉を使いますが、その表現には不法移民・不法入国者は含まれない気がします。と言うのは、そういう人たちに対してはIllegals(不法)とか、トルドー首相は自身のリベラルさをアピールするためにIrregularsと言う言葉を使っていますが、要は「正規の手順を踏まずにカナダに入ってきた人たち」っていう風にちゃんと区別しているんです。まあもちろん、カナダ市民の中にはそもそもの移民(Immigrants)自体に消極的な人たち・否定的な人たちもいますし、ImmigrantsとIllegalsをごちゃまぜに理解している人もいると思います。
私を含めてそうですし、また世界中の移民者もそうだと思いますが、みな移民先の国のルールに従って申請書を作成し、必要情報を提供し、費用を払い、テストを受け、長い時間待って「正規」移民者となっているんです。上記イギリスのケースは悲劇だし、犠牲者のご冥福をお祈りいたしますが、でもそれでも、私は彼・彼女たちのように「すべてのステップを違法に飛び越して入ってくる人たち」が、私たちと同じように「移民」と呼ばれるのには抵抗があります。死者に鞭打つ行為かもしれませんが、彼・彼女たちは「法を犯して違法に・不法に」イギリス国内に入ってきた人たちなんですから、それ相応の呼び方が必要だと思います。
じゃないと、「移民」と言う言葉自体がネガティブなイメージを持ったり、正規移民者が差別されることにもつながりますから。
移民者受け入れ数が少ないというか殆ど無い日本では感覚的に理解しづらい問題かもしれませんが、今後移民者を受け入れるのであれば、小さいことですが、こういった言葉の面での教育もしっかりしていくべきでしょう。
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