これよく最近目にするんですが、フェイクニュースとまではいかなくても、ゴシップ記事レベルの胡散臭い、何の根拠もない記事に思えるんですよね。こちらでも、「コロナ後はカナダが世界をリード」的な記事が出ていました。でもそもそもこの「コロナウイルスのパンデミック」自体が予想不可能な出来事で、その終息もまだ見えないのに、その先を今から予想するっていうのは意味があるのかな??

MAY082020 02
(オバマ前政権時代の国連アメリカ大使のSamantha Powerさんは、カナダがコロナ後「勝ち組」になるといっていますが・・。GlobeandMailサイトより。)

各国政府・各地方自治体政府がコロナ後を見据えて動き出す、計画を立てるのは、行政府として当然の行動だと思います。一方、こういう記事はあくまでも行政府のような責任を負わない人たちが、勝手に言っているものだと思うんです。多分に「落ち込んでいるみんなを元気づけよう!」とか「少しでも先が明るいという希望を持ってもらおう」というような、ポジティブな目的であれば、まあ意味があるのかな、とは思いますが。


ただ実際問題として、コロナ後はどの国・どの企業も体力がげっそり削げ落ちているでしょうから、「勝ち組」「負け組」という比較は意味がないと思います。だってそれで言えば、世界中が「負け組」でしょうから。特に「グローバリゼーション」の名の元、各国が他国との関係を無視しては経済的に生きられない状況となった中、例えば台湾のようにうまくコロナウイルス騒動に対応した国があったとしても、他国がダメージを受けていたら、その影響を受けるでしょうから。


更に言えば、今なおコロナウイルスで苦しんでいる人たちが世界中に大勢いる中、勝ち組になるというような発想が、私が日本人だからでしょうか、とても品がないように思うんです。更にそれを「商機」ととらえるような感覚が。


経営者側の視点からすれば、それくらい「非情」にならないと、会社なんて運営できないのかもしれませんが、「情」がない行動はやっぱりどうしても「??」になってしまい、長続きしないようにも思えます。まあ、心ある経営者の方は、「商機」だと思っても、それを表に出さず、刺激せずに黙々とお仕事されると思いますが、こういう記事を見るとやっぱりなんか心のどっかに「ひっかかって」くるものがあります。


実際問題、「勝ち負け」よりも、ちょっと過度に進んでしまったグローバリゼーション網が今回のことにより改めて見直されると思います、コロナ後は。資金面を最重要視して外注に出していた企業や職種を自国回帰させる動きが進むでしょうし、また同時にリスク分散のために複数の海外拠点を持つ動きも進むでしょう。当分は世界中(特に先進国と言われる国々)で、自国回帰・自国優先の動きが進むと思います。カナダはどうかわかりません、トルドー首相ですから・・。


なので、勝ち・負けと言う二元論的比較はちょっと時期早々であり、そこまで余裕がないと思います、世界は。


とりあえず、コロナ感染鎮静化が先決でしょう・・。







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