コロナウイルスが世界を席巻していた3月-5月、そして勢いは落ちたとはいえまだまだ新規感染者が止まらない現状、世界各地でアジア系住民に対する差別が問題になっていました。それはここモントリオールでも同じ。チャイナタウンで石像が破壊されたり落書きされたり、アジア系の方が暴言を吐きかけられたり。
モントリオール市議会ではこのような状況の中、アジア系住民への差別をやめさせようと動議がかけられる(もしくは現時点でどこの動議が議会を通過しているかもしれませんが)模様なんです。それ自体はとても重要なことだと思うんですが・・・。
私はメディアでのこういった事件の取り上げられ方にちょっと違和感を感じるんですよね。確かに被害にあった人たちはアジア系の方たち。でもこの差別って、やっている方は果たして「(見た目が)アジア人だから」ということで攻撃しているんでしょうか?そうではないと思うんです。正直、やっている方は攻撃の対象を「中国」っていう風に見ていると思うんです。
それはコロナ騒動しかり、昨今のカナダにおけるファーウェイ問題しかり、香港問題しかり・・・。特にコロナ関連が一番の理由でしょうが、私はチャイナタウンへの攻撃等を見ても、やっている方の矛先は「中国」に向けられていると思うんです。逆に私が「日本人」ということで、何か差別されることがあるでしょうか?ここモントリオールで。絶対にないとは言えませんが、ほぼゼロだと思います。同じく、例えば台湾から来た方、ベトナムから来た方、などなど、その方たちが来た「国」のせいで「差別」を受けることってそうそうないと思うんです。
「中国」を除いては。
やっている方としては中国人も日本人もベトナム人も台湾人も、はっきり言って見分けがつかないので、ひとくくりに「アジア系」としてターゲットにしていると思います。また被害者もその出身国等がバラバラなので、「アジア系」とひとくくりにして報道されていると思います。が、本来ならこれって私たち「アジア系」から見ればとばっちりでしかないんですよね。
こういう状況を利用するのが本当に上手な中国。多分、こういう状況から「アジア全体に対する差別」という風に拡大解釈に持っていって、「中国個別への攻撃」から周辺国を巻き込んで問題を大きく、でも対象である中国の存在は小さく矮小化していくつもりなのでは?と疑ってしまいます。でも多分そういう風な行動をとるでしょうね・・・。
確かに差別自体はそれがどのような理由・誰を対象にしていても許されるものではありません。が一方で、自分たちに身に覚えがない所で自分たちも「被害者」として扱われるような雰囲気、「アジア系」っていう言葉が使われることにやっぱり違和感を感じてしまいます・・・。
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