これ、世間で「人種差別」などの問題が出る度に行われて、正直うんざりするし、「自分たちの価値観以外は絶対認めない」と言う人々の狭心さを見せつけられるような気がするんです、毎回。


その動きがここモントリオールにある、英語系大学のMcGill大学でも。この大学の創設者でもあるJames McGillの銅像をキャンパス内からなくそうという運動をHannah Wallaceさんと言う、先住民を祖先に持つMcGill大学の卒業生が起こし、change.orgサイトにて署名を集めているんです。彼女曰く、James McGillは黒人と先住民の奴隷を持っていたから、とのこと。

JUN142020 01
(問題の銅像。Global Newsサイトより。)

正直、彼女のこの運動には、私が先住民ではないからかもしれませんが、全く同意できません。確かに奴隷を持つということは現代の価値観からすれば当然許されるものではありませんし、そういう考え自体も否定・嫌悪されるものです。が、当時は奴隷を持つという、今から考えると非人道的な部分も許されていました。世界各国が植民地を持ち、沢山の奴隷を、戦争によって持っていました。それは先住民や黒人だけでなく、ヨーロッパやアジア、アフリカ、中東など、どの国でも国内の争い後、勝者が敗者を奴隷として売買の対象にしていたこともあります。


ただ、そういう歴史・事実を、自分たちの価値観を押し付けて、「(少なくとも目に目る場所から)消去」しようとする行為はどうかな?と思います。勿論、銅像をなくすだけで、歴史的な事実は消えませんが、何と言うか、度量の小ささと言うか、自分たちの意見だけが正しいと思う視野の狭さと言うか、なんか違う気がするんです。


確かにJames McGillは悪いこともしたでしょうが、大学を作ったり、良いこともしていますよね。もしこの人の行動自体を否定するなら、この大学自体をなくす必要もあるのでは?だって奴隷を持っていたという過去の事実だけ、しかもその点だけでこのJames McGilをで判断するなら、彼の行動自体全てを否定しないと整合性が取れないと思います。突き詰めれば、イギリスがなしたこと、アメリカがなしたこと、そういう全てを否定しないといけないですしね。


繰り返しになりますが、例え現在の価値観では受け入れられないことでも、当時は合法だったことを、遡及的に現代の法やモラルで断罪するのは何の理もないと思います。そんなことをしたら世界はただただ「前代の否定」だけしか残らないし、何も生みだしませんからね。ただただ対立だけが残る・・・。


正直私はこういう運動は、人種差別問題が出る度に一部の人たちが自分の考えを押し通して「歴史を変えよう」としているのではないのかな?と勘ぐってしまいます。もっと言えば、「自分の都合の良い歴史しか認めず、それ以外はなくそう」としているのでは、と。


ただこういう運動が今モントリオールでも広がっていて、カナダの初代首相であるSir John A. Macdonaldの銅像をなくそうという運動も動いていて、モントリオール市長のValérie Planteにも圧力をかけています。


ちょっと極論になりますが、例えばこのカナダの初代首相にしてもJames McGillにしても、現在のカナダ人、McGill大学の生徒は恩恵を受けていますよね。彼らが、現在の価値観からは悪いこともしましたが当時は合法だった、そういったものやそれ以上に行った沢山のことにより、カナダは発展し、経済的にも豊かになり、生活できていますよね。McGill大学も世界に誇れる有名大学の一つです。そういう自分たちが恩恵を受けた部分、利益を受けた部分は一切考慮せず行っているこういう運動って矛盾だかけだと思うんです。だったら、McGill大学に入学しなければよかったのでは?ほかにも大学はありますし。


こういう人たちが社会に出て、自分の意見だけ・考えだけを押し付けて生きていくと、世の中どうなっていくんでしょうね・・。都合の良い所しか見ない、自分の意にそぐわないことは全力で排除する・・・。怖いですよね・・。


現代社会では人種差別は許されません。ですがそれははっきり言えば、世界が社会的に成熟し、「衣食が足りた」ので「礼節を知る」ようになったからだと個人的には思います。「生きる」ことが大変だった当時は、「礼節・モラル」が現代ほど高くなかったとしてもしょうがないでしょう。それを現代の立場から批判するのは、何の生産性もないし、自己矛盾・自己否定にもなると思います。


こういう意味のない動き、自分たちの意にそぐわないことを消し去ろう、変えてやろうという動きが広がらないことを祈りますが、どうなることでしょうかね・・・。








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