これはちょっと古いニュースですが、現ケベック州政府・与党であるCAQが選挙公約として「移民数制限」に関係する変更で、去年11月に一度導入しようとしたんですが、州民や議会の反発にあっていったん撤回したものを、もう一度先々月の5月に導入を発表したもの。
ケベック州からの移民申請の場合、まずはケベック州政府から許可をもらわないといけません。それがQuebec selection。これを取得後、初めて連邦政府あてに永住権(Permanent Residency)を申請できます。
今回留学生やワークビザで働いている人たちが抗議しているのは、このQuebec selectionへの申請基準を厳しくする変更。この変更が導入されると、フランス語の知識、関連職の就労経験年数等が必須となり、またQuebec selectionの審査期間も長くなるそう。つまり、場合によっては留学生やワークビザで働いている人たちの有効ビザ期限までにQuebec selectionが下りない可能性もあるんです。
この変更に対する抗議活動、モントリオールやケベックシティー等で数百人規模で行われていたそうです。確かに気持ちは理解できます。が、CAQ党はこれを選挙公約にして、選挙に大勝利している以上、この変更を導入するのにためらいはないでしょうね。Legaultケベック州政府首相兼CAQ党党首は別の件での記者とのインタビューで、「ケベック州政府が進めているのは選挙公約ですでに州民に判断してもらっていること。」として色々な選挙公約を実際に導入していっています。
また、今回のコロナ騒動により、はっきり言って経済的にも厳しくなっていく中、労働者数調整という意味、またこれはうがった見方かもしれませんが、留学生のうちかなり大きな割合を占める「中国からの留学生」に対して、昨今の外交上の懸念から抑制しようとする動き、そういうものが合わさっているのでは??と思いました。
ともかく、これからケベック州で移民申請する方、もしくはすでにしていてQuebec selectionをお待ちの方、今後のニュースにはご注意ください!
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コメント
コメント一覧 (2)
あさんがおっしゃる通りの不安点をこちらでもいろいろなところで聞きます。。特にせっかくモントリオールにIT系を含めて、世界の大企業がその研究所や地域本部を持ってきていますからね。。さらにケベック州は北米で一番授業料が安いという点も、世界中の頭の良い留学生を集めることができる大きなポイントだと思います。
ただ、現ケベック州議会与党で州政府を担っているCAQ党は前回の選挙でこの部分を選挙公約として掲げていたんですよね、移民政策で。で、その選挙で大勝したので、選挙公約を守っている、進めている・・。もちろん現在の世界情勢的にも国内回帰・自国優先が進んでいますが、それより前にすでにケベック州民はそういう選択をしていた、とも言えると思います。
あさんがおっしゃる通り、「バランス」って大事だと思います。が、すでに州民の民意を得たと考えているCAQ党ではこのまま進めていくと思います。。
今後とも当ブログをよろしくお願いします!
例えばマギル大学を以前だったら選ぶであろう優秀な留学生はトロントやUBCに流れるでしょう。そうなるとマギルの質が落ちるし、留学生が払ってくれていた高額な授業料も入らなくなる。たとえマギルに留学しても就職はオンタリオで、という学生も増えるでしょう。そうなるとケベックに拠点を置いているグローバル企業がオンタリオに移るかも知れません。結果的にケベックの経済に悪影響を及ぼすのではないでしょうか。
特にグローバルIT企業はフランス語は必要がないでしょうし、あまりフランス語に固執し過ぎるのもどうかと思うのです。緩急をつけるというか、職種や働いている企業によって対応を変えるなど柔軟な姿勢が必要と思います。
そうしないと、優秀なIT技術者をケベックに呼び込めないような気がします。
特にモントリオールはAIで世界中から注目を浴びていますし、アメリカがH1Bビザの発給の停止をしていて優秀な外国人を獲得するチャンスでもあるのに、この変更は時代遅れな気がします。