これは私自身のことで、ようやく1年が経ち、気持ちも整理できたのでブログにすることができました。実は去年7月、父親が突然亡くなったんです。死因ははっきりとはわかりませんが、心筋梗塞のたぐいのもので、本当にあっという間に亡くなったそうです。


私はこういう風な家族にかかわる緊急事態のことを思って、昔からずっと日本の携帯(NTT DOCOMO)を海外でも持ち続けていたんです。日本から海外電話番号を使わずに日本の番号で親も連絡が取れるように。が、今回それがうまくいかず、しかも私に連絡が取れないということで、家族は取り急ぎSNSで親戚一同に協力を願って、ようやく私に連絡が取れました。


それまで私は3-4年、日本に帰国しておらず、自分の中でなんとなく「親はまだまだそばにいるもの」という気持ちがあったのかもしれません。勿論、親の年齢を考えて、いつまでもずっと一緒ということまでは思っていませんでしたが、いきなりこういう事態になるとは思ってもいませんでした。


更に連絡を受け取ってから帰国するまでも時間がかかり、結局死に目に会えず、しかもお葬式にも出ることができませんでした。帰国した際には父親はすでに火葬された後。父親の最後の姿は写真や映像でしか見れません。これがやっぱり負担だったんだと思います、今から考えれば。その当時、ちょっとやっぱり心が重いというか、心のバランスが崩れたというか、奥さんにも厳しく当たったりと八つ当たりしてしまうこともしばしばありました。

JUL192020 08
(日本に残される人たちの気持ちを考える時間をもっと持つべきでした・・・。Trazyo.comサイトより。)

今は一年経ってようやくこのことを話せるくらい落ち着きましたし、父親に関しても、長くつらい闘病や命に向き合うつらい時間を経験することなく、あっという間に旅立ったのは良かったのかも、と思うようにしています。特に父方のおじいさんはガンで長く闘病していましたから、そういうのを見ていると、突然すぎて周りは置いてけぼりになるし、特に母親は心のバランスが崩れてしまって大変だったんですが、でも本人にしたら長く苦しむことがなかったのは幸いだったのかもしれません。


昔の人は金科玉条をたくさん残していますが、それはすべて経験から出てきたこと。ただ人間はそういう先人の言葉を「知識」として理解できても、いざそのことを「経験」するまで本当の意味で「理解」することができないんですよね・・・。私も今回の父親の件でそのことがよーくわかりました。


で早速日本の携帯は解約、そして母親にスマホを持たせました。そしてラインを使ってメッセージをやり取りするようにしています。今では月に何度もメールをやり取りして母親と連絡を密にとるようにしています。


私のような経験をされた方は、海外在住者にとどまらず、日本国内でも沢山いらっしゃると思います。が、特に海外の場合はすぐに帰国できないという大きな壁があります。上記「人間は経験しないと理解できない」という言葉と矛盾しますが、これから海外に出る人、もしくは海外生活に興味のある方、ぜひぜひしっかり考えてほしいのです。


「もしかしたら両親、友達、親戚等にもう会えないかもしれない」ということを。近場の海外なら国内と同様、何かあれば4-5時間で親元や故郷に帰ることはできるかもしれません。でも欧米や中東、アフリカなどに在住の場合、飛行時間だけでも10数時間かかります。


海外に出るということは、これから先の楽しみな未来で心が一杯だと思います。そんなところに不吉な、差し出がましいお話かもしれませんが、でもあなたが日本を離れることで、あなたの心の中で日本に「置いてけぼり」にされる人たちに思いを寄せる時間も必要では、と思います。


本当、余計なお世話的なお話でしたが、日本を離れることによるリスクを少しでも知っていただければ、と思いブログにしてみました。







(当ブログ記事内で使用している写真・画像等は、特に出典の明記がない限り、著作権フリーの画像及び私が撮影したものを使用しております。)