11/7に投票が行われるモントリオール市長選。その候補者による討論会は何度か行われていますが、英語によるテレビでの討論会は昨日木曜日に行われたのが初めてだそうで、2度目は今のところ予定はないそう。また、第三の候補であるBalarama Holnessさんが初めて参加した討論会だったと思います、私の記憶が正しければ・・・。


現時点での予想では、現職のValérie Planteさんと前職のDenis Coderreさんが36%ずつとデッドヒートを繰り広げていて、Balarama Holnessさんは12%と二人には引き離されている状況のようです。


さて今回のテレビ討論会では・・・。


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(討論会での3候補。CTVニュースサイトより。)

まずは昨今増加傾向にある犯罪対策について。Denis CoderreさんはValérie Planteさんの警察予算削減を非難すると、Valérie Planteさんはその削減はDenis Coderreさんが在職中に行ったと応酬。Balarama Holnessさんは新たなアプローチを提案。まあ警察官数の増加、トレーニングの増加、地域コミュニティーとの関係性強化などを挙げていました、3候補とも。


交通問題については、Valérie PlanteさんとBalarama Holnessさんは既存の公共交通機関の利用を推進して渋滞緩和を模索していると言い、一方Denis Coderreさんはちょっと話が横にそれましたが、まずは市営地下鉄(STM)の経営悪化問題の改善が先だと主張。更にBalarama Holnessさんは現在のモントリオール市内の交通道路工事の多さを非難。確かに工事の多さ、その期間の長さはずーっと問題ですからねー。これに対してValérie Planteさんは工事の数が多いのを認めつつ、それは経済回復の証左と反論。

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(今回のテレビ討論会は各局合同の形だったようです。CTVニュースサイトより。)

また、Valérie Planteさんが導入した自転車専用道路に対してもDenis Coderreさんは攻撃。慎重な検討を行わず、ただただ自転車専用道路をむやみに増やした、と。これはでも、個人的にですが、その通りだと思います。オフィス周りに自転車専用道路が出来ましたが、1時間に数台見かけるかどうかと言う利用状況、本当に必要だったのか、はなはだ疑問。まあDenis Coderreさんの非難に対しても、Valérie Planteさんは経済的発展へ貢献した部分もあると反論していましたが・・。


そして最後に経済政策。Valérie PlanteさんとDenis Coderreさんは2%ほどの増税が必要と発言し、すかさずBalarama Holnessさんは「2017年の市長選の際、増税率はインフレ率よりも低いという選挙公約を破っている」とValérie Planteさんを攻撃。Valérie Planteさんは批判をかわすためでしょう、「この討論会は、有権者にアイデアを示すことが目的」と、ちょっと苦しい言い訳に見えました。


私も動画をつまみ食いした程度ですが、それでも全体的に見て、Valérie Planteさんは劣勢に見えましたし、Balarama Holnessさんが思ったよりも良い印象を与えたと思います。Balarama Holnessさんが勝者と言っても良いと思います、この討論会では。


色々と批判が多い現職・前職より、新しい候補者に期待する。2017年の選挙で当時市長であったのDenis Coderreさんを破った現職のValérie Planteさんのロジックが今そのままValérie Planteさんを攻撃する理由に使われているようです。


さて、この討論会の後、支持率はどう変化するか、ちょっと楽しみですね。







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